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「定年前と同じ仕事なのに賃下げ」を容認、最高裁判決から定年後ライフを考える

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みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職ブログです。

 

定年後に再雇用された嘱託社員が、仕事内容は変わらないのに正社員と賃金格差があるのはが違法だとして雇用先に是正を求めた訴訟の最高裁での判決が下されました。

前提はあるものの「同じ労働でも定年後は賃下げ可能」を認めたもので、定年退職前後の働き方に大きく影響しそうです。

 

+++もくじ+++

 

 

賃下げを容認した最高裁

運輸会社を定年退職後に再雇用された運転手3名が、定年前と同じ仕事なのに給与が引き下げられたのはおかしいと是正を求めた裁判です。

1審では「正当でない」と判断されたものの、2審の高等裁判所では「賃下げは社会的に容認されてる」と指摘し運転手側を逆転敗訴としたことから、最高裁に持ち込まれたものでした。 

今回の判決の内容は、正社員と非正規社員の賃金格差が不合理かどうかは、「各賃金項目の趣旨を個別に考慮すべき」とするものでした。

 その上で、精勤手当については「労働条件の相違は不合理である」と支払いを命じたものの、能率給や職務給など給与や賞与、住宅手当や家族手当などの諸手当は認められませんでした。

また、精勤手当を入れた時間外労働手当(超勤手当)の具体的な計算については、東京高裁に差し戻しを命じました。

前提はあるものの「同じ労働でも定年後は賃下げ可能」を最高裁判所が認めたことの影響は大きいと思います。

 

定年退職世代は「同一労働同一賃金」から除外 

厚生労働省によると非正規雇用の賃金は、正社員より4割程度低く格差をめぐる訴訟が各地で行われているようです。

今回最高裁判所が格差の不合理性の考え方などについて統一見解を示したことから、今後企業では労働条件相違が適切かどうかの精査が始まると思われます。

現在政府は、同一労働同一賃金を掲げて関連の法案を審議中ではありますが、最高裁の結論は「同一労働同一賃金」を安易に認めませんでした。

多くの企業で定年退職の年齢は60歳です、政府は65歳までの雇用確保を求めていますがほとんどの企業では定年延長ではなく一旦60歳で定年退職しその後嘱託などで一年更新で働く場合が大半です。 

この制度のメリット・デメリットは立場によって変わります。 

わたしは、正社員としてのサラリーマン(雇われる側)、経営者(雇う側)、定年での退職者、定年後働く側の4つの経験がありますが、経営側の本音としては安く人を雇えることでしょう。

実際59歳の人と61歳の人では能力は変わらず、コストが下がるのは経営者には魅力です。 

また年金を一部受給しているなど、100%会社に頼らないでも生活できているのがわかっており、若い正社員などと賃金格差を作ることに経営側として良心の呵責がありません。

 

定年退職をどう受け止めればよいか

定年退職というのは年齢を理由にクビになることですから、気持ちとして「ハッピーリタイアメント!」という人だけではないでしょう。

雇用側もそれがわかっているので、「卒業」という言葉を使ったり感謝状を出したりと様々な手を使って定年退職者を慰めます。

自分が若いときは、高齢者が早く辞めてくれないと、ポストも空かず職場が活性化しないので、定年で退職するのは当然だと思っていました。 

しかし、いよいよ自分にその番が回ってくると、重荷から開放される喜ばしい気持ちと、まだまだ働けるのにという後ろ髪を引かれる気持ちの両方があり、いろいろと複雑です。

さて、ではこれからの定年退職世代はどういう心がけで定年退職前後を過ごすべきでしょうか。

もちろん今回の裁判をされた方のように、会社と徹底的に戦って正社員並みの賃金を目指すというのも一つのやり方でしょう。

しかしながら今日判決が出たように、既存の制度に挑戦するのは個人としてあまりにも労力が多くリターンが少ないと思います。 

一つの考え方としては、昭和時代の考え方かもしれませんが、これまで雇ってくれた組織に感謝をしつつ、後輩が育つようにノウハウを残すことです。

自分としては再雇用で働いたとしても、この先が見えていることが確実です。

再雇用も終わる65歳以降に向けて、仕事の能力だけでなく、心がまえ、家事能力を含む家庭でのサバイバル能力などの準備期間に当てるのが妥当だと思います。

雇用側からするとすでに給料の高い60歳の人間をそのまま65歳まで雇うよりも、一旦定年してもらい再雇用で給料を引き下げる方が総人件費が安いという企業側のメリットがあります。

一方で労働力が不足している現在、スキルのある定年退職者を65歳まで働かせた方が企業のためになるという考え方もあります。

どちらの方向にこれからの社会が向かうにしろ、すでに定年を迎えていいるあなたには立ち止まって考える時間はありません。

働くモチベーションをどう維持するか

嘱託で働こうとする会社員の方の受け止めはどうでしょう。

既に60歳を待たず、多くの会社では役職定年ということで給料が下がっているかもしれません。

さらに60歳になり仕事はその後もあるとはいえ、大幅に給料が下がることはモチベーションが下がり優秀な人材の活用としては問題があるのではないでしょうか。

いまの定年退職世代の人達にとって60歳で仕事を辞めるというのは、年金までの年金の受給開始までの収入の道がなくなるということもあり現実的ではありません。

そこで多くの定年退職者が65歳まで再雇用で働いています。

現在の厚生年金制度が、定年以降もしっかりと働こうとする人に優しくないのも問題です。

60-64歳が厚生年金に加入して働き続ける場合に、在職のまま老齢年金を受給しようとしても年金は減額や停止される場合が多いです。

あるいは雇用者が年金受給を見込んで支払賃金を抑える場合もあります。

この制度のため「年金がカットされるなら働くのをやめよう」と勤労意欲を失う方向のインセンティブになるのも問題です。

さらに、厚生年金加入者が加入40年を超えて保険料を支出しても基礎年金部分は40年で頭打ちになり、いわば掛け金は払い損になるなど逆インセンティブ状態にあります。


まとめ

60歳から65歳までの再雇用では会社側の思惑はともかくとして、賃下げでモチベーションが下がるのは事実でしょう。

またいずれにしろ、65歳で仕事がなくなるのが目に見えてるということで、ポジティブに考えて65歳以降に向けて少しずつ、新しいステージへの適応を考える助走期間と前向きに考えた方がいいでしょう。

会社員を辞めて見ればわかりますが、定期代や健康保険を始め会社に属していることによるメリットは大きいです。

定年退職後、再雇用になって給料が下がってしまったみなさん。

給料が下がったことにぶつぶつ文句を言っても今更始まりません。

今回の最高裁を契機に制度は変わっていくかもしれませんが、おそらくあなたには間に合いません

むしろこれからは、考え方を変えて65歳以降も細く長く働けるよう新たなスキルを身につけると言ったことも選択肢になるのではないでしょう。

制度を変えるのは時間がかかりますが、自分を変えるのは一瞬です。