みなさんこんにちわ
安井宏@定年退職ブログです
リンダ・グラットン氏の著書「LIFE SHIFT」の大ヒットとともに、人生100年時代に対する 関心が高まっています。
現在の日本人の平均寿命はすでに80歳を超えており、LIFE SHIFTによれば2007年生まれの日本人は107歳まで生きるとの予測がなされています。
定年退職後のライフプランで考えるべきは、この生命としての寿命だけではありません。
元気に過ごせるかどうかの指標である「健康寿命」と、自分が死ぬまでにお金がなくなってしまわない「資産寿命」を伸ばすことのほうが大切です。
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ほんとうに人生100年時代は来るのか
厚生労働省の簡易生命表によれば、定年退職世代=60歳と考えると、あと平均的には何年生きるかという平均余命は、男性23.67年、女性28.91年で、平均的には80歳半ばまで生きそうです。
ただ、95歳まで生きるのはというと、男性では9.1%、女性はなんと25.26%ですから、確かに人生100年時代は、冗談ではなく本当になりそうです。
むしろ大事なのは健康寿命
多くの人が、ピンピンコロリと他人に迷惑かけることなく亡くなることを夢見ますが、実際にはこれが実現する方は多くないようです。
日常生活に制限のない期間を指す「健康寿命」と平均寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年もあります。
この差の期間は、生活に制限のある、生活習慣病などにより健康でない状態で過ごしていることになります。
お金の面から考えると、定年退職後の人生を、前半の健康な時代と、後半の不健康な時代に分けて考えてもいいと思います。
健康な時代は、せっかく蓄積した資産を活用して、旅行や趣味などまさにワクワクする定年退職ライフをエンジョイする最後のチャンスです。
お金は貯めるばかりでは能がありません、生きたお金の使い方をして人生を充実させましょう。
後半の不健康な時代になれば、お金の使い方も変わってきます。
豪華リゾートホテルのような有料老人ホームで過ごすにはたしかにお金がかかります。
これは「かかるお金」ではなく「かけるお金」です。
体が不自由になってきても通常の「かかるお金」は、それほどではありません。
生命保険文化センターの調査によれば、一時的な費用は平均で約80万円、月々の費用は約7.9万円で、介護を行なった期間は、平均4年11ヶ月となってます。
これくらいであれば、資産の取り崩しというより、厚生年金などでまかなえる金額ではないでしょうか。
むしろアクティブな活動から精神的な豊かさへシフトチェンジすることを考える時期に来ていると言えるでしょう。
もう一つ大切な資産寿命
定年退職時点は、一般的なサラリーマンではもっとも大きな金融資産を持っているときです。
いまの定年退職世代は、年金だけで老後生活を送れる人は稀です。
ほとんどの退職者は、年金収入をベースにしながらも、金融資産を徐々に取り崩しながら生活していかなければなりません。
その際に、毎月大きなお金を取り崩しすぎると、自分の寿命が尽きてしまうまでに金融資産が底をつく、すなわち「資産寿命」が尽きてしまい、その後は年金だけで暮らすことになります。
「資産寿命」>「自分の余命」となるように、取り崩し額を調整しないといけません。
その際に、結果を大きく左右するのがインフレと、資産運用のリターンです。
資産寿命を計算してみよう
仮に、あなたの金融資産を2400万円としましょう。
月に10万円ずつ取り崩すと、2400÷10=240ヵ月ですから、240ヶ月すなわち20年間取り崩せる計算です。
現在はデフレ脱却したとはいえ、日銀の低金利政策もありインフレを考慮せずに済んでいますが、アメリカでも徐々に長期金利が上がってきています。
インフレにさらされたときや、資産運用しながら取り崩ししたときの資産寿命を計算してみましょう。
実は、ファイナンシャルプランナーの試験に必ずと言って良いほど出てくるトピックに、現在の資金を複利運用しながら取り崩すときの受取額を求める「資本回収係数」というのがあります。
それを用いて計算できるのですが、ネット上にはこれを簡単に計算できるサイトがいくつもあります。
今回は、モーニングスターの金融電卓を利用させてもらいこれを計算すると、
資産運用せず2%のインフレにさらされると
資産寿命は16年9ヶ月
2%で資産運用しながら取り崩すと
資産寿命は25年6ヶ月
3%で資産運用しながら取り崩すと
資産寿命は30年6ヶ月
いかがでしょうか、毎月10万円ずつ取り崩すのは一緒でも、長期になればなるほど差が開いてきます。
資産運用しながら取り崩すことの重要性がわかると思います。
まとめ
自分がいつ亡くなるのかは、自分でコントロールできません。
しかし、資産寿命を伸ばすのは、ある程度コントロールできそうです。
無理な資産運用は禁物ですが、年率2%か3%程度の比較的低リスクな資産運用をすることは、資産寿命を伸ばしながら豊かな定年退職ライフを送る上で必須の考え方だと思います。
くれぐれも無理のないように、そして自分で勉強して資産運用をやってみましょう。