みなさんこんにちは
安井宏@定年退職FPです。
人生100年時代と言われる中、自分の定年後の資金計画を心配する方は多いと思います。
定年後の人生は長く、退職金などを大切に少しずつ使うのが重要です。
わたしたちファイナンシャルプランナーが、お客様との相談に使うツールに、7つ道具ならぬ「6つの係数」というものがあります。
「現在の資金を複利運用すると将来いくらになるかを求める」とか「現在の資金を複利運用しながら取り崩すときの受取額を求める」などという試算を、6つの係数を使ってEXCELなどで計算して資金計画などを作ります。
実は、それを誰でも簡単にできるサービスがインターネット上にあります。
最近、わたしが見つけて便利だと思ったのが、大和投資信託の「人生100年時代シミュレーション」です。簡単に使えて便利だったのでご紹介します。
「人生100年時代シミュレーション」の使い方
使い方は、数字を入れるだけですから超簡単です。
例えば、資産取り崩しのシミュレーションでは、取崩しを始める年齢を入れれば、
- 資産の寿命は何年か?
- 毎月の取崩しする金額はいくらか?
- 一定期間取り崩すため元金がいくら必要か?
などが簡単に計算ができます。
一例として、1000万円の退職金があるとします。
月に5万円づつ取り崩すとして、運用しないなら16年8ヶ月(200ヶ月)で底をつくけど、年3%という、低リスク運用でも、23年2ヶ月(278ヶ月)は取崩せるなど「資産寿命が大幅に伸びる」ことがわかります。
わずかでもリスクをとり、資産運用をする必要性が一目瞭然に理解できると思います。
定年後のマネープランを考える
定年後の生活は、公的年金プラス金融資産取崩しで生活するのが通常です。
このツールを使って、「いつまで働くか(いつから取崩し始めるか)」「どの程度の資産運用が必要か」などを考えると良いでしょう。
金融機関の無料相談は罠だらけ
金融機関がやっている「無料相談」に行くと、ファイナンシャルプランナーが、将来のお金の流れを見える化するキャッシュフロー表を親切に作ってくれます。
タダで相談に乗ってくれますが、結局のところ「だから資産運用が必要です」といわれて、購入手数料や信託報酬の高い「売れ筋の」投資信託を買わされるのがオチです。
日本には6,000本の投資信託があると言われますが、優良だとわたしが思うのは「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2018」で選ばれるようなほんの一握りの商品です。
金融機関でオススメされるのは、ほぼ間違いなく買わないほうがいい商品です。
タダより高いものはないですが、その無料相談のファイナンシャルプランナーの人件費を誰が負担しているか考えれば当然だと思います。
ざっくり自分でシミュレーション
わたしはライフプランマニアなので、いろいろと難しいこともしてしまうのですが、正直なところ、毎年送られてくる「ねんきん定期便」と、この「人生100年時代シミュレーション」だけで、将来の資金シミュレーションは十分できます。
将来を精緻に考えても、税制や年金制度、さらにはインフレ率などは変化するので、むしろこのツールで、簡単にたびたびサクッとシミュレーションするほうが有益でしょう。
ゆとりある老後は自分で考える
ぜひこのツールを、ほんのお遊び程度にやってみてください。
いろいろと考えるところは多いと思います。
ファイナンシャルプランナーが作成してくれるキャッシュフロー表は予想でも何でもありません。
みなさんがご自身で、いろいろ数字を動かしながら将来を考えるのが大切です。
可能であれば、結婚記念日ごとなど、毎年時期を決めて夫婦で今後のマネープランを考える道具に使えば最高だと思います。
まとめ
定年後は、稼げるお金は限られてきます。
退職金など、まとまったお金があると「運用しなければ」と焦りますが、急ぐと失敗します。
まずその資金が「自分が何歳の時に底をつくか」「いつまで働きいつから取り崩しを始めればいいか」などを自分で考えましょう。
そてから行動すれば、金融機関のいいなりで不適切な商品を買わされる悲劇を確実に防ぐことができます。