わくわく定年退職ライフ

ちょっとのお金の知識で豊かなシニアライフ

インデックス投資の出口戦略、取崩しを考える

f:id:teinen2018:20191218105555j:plain

みなさんこんにちは
安井宏@定年退職FPです。

これまでありそうでなかったものが、証券会社による定率の取り崩しサービスです。

若い時代には、つみたてNISAなどによって資産を形成していきますが、高齢期になり収入が細った時、公的年金を補う心強い存在が資産の取り崩しです。

取崩し方法については、三つほどあると思いますがどのような手段を取るかは人それぞれです。

楽天証券

+++もくじ+++

 

1. 楽天証券が始めた新しいサービス

楽天証券は投資信託を顧客の指示に従って、定期的に取り崩しをする「投信定期売却サービス」を始めました。

つみたてNISAやiDeCoなど、資産形成期の投資環境が良くなる一方で、私のような定年退職者が「運用しながら取り崩す」場合の投資環境は整っていませんでした。

これまで SBI 証券に定額取り崩しのサービスはあったのですが、今回の楽天証券のサービスの方が幅広く、いわば待たれていたサービスだと言えると思います。

 

1) 定期売却サービス概要

楽天証券で保有している投資信託を、指定の方法で自動的に売却し売却代金を受け取るものです。

楽天証券の場合は、楽天銀行と口座を連携するマネーブリッジというサービスがあるため、証券口座に入ったお金を無料かつ自動で楽天銀行に移すことができ非常に便利です。

 

2) 取崩し方法は3種類

「定額指定」…毎月売却する金額を指定。指定した額を毎月受け取る。

「定率指定」…指定した投資信託に売却率(口数)を指定。相当する口数を毎月売却して受取る。

「期日指定」…最終受取年月を指定。初回売却月から指定年月まで、指定した投資信託の保有口数を等分し、毎月売却して受取る。

 

3) 設定可能単位

「定額指定」…1,000円以上1円単位

「定率指定」…0.1%以上0.1%単位

「期日指定」…最終受取年月を指定

ここで定率指定の0.1%というのは発表当時は、1%以上というちょっとハードルが高いものだったのですが、ブロガーたちの反応を見てすぐに0.1%に改善をしています。

楽天証券のこの素早い対応は期待以上でした。

 

2. 望ましい取崩し方法はなにか

1) オススメは定率取り崩しか

資産運用について書かれた本の多くでは、老後の資産取崩しは「定率で」と推奨されています。

定率取り崩しには資産を長持ちさせるメリットがあり、識者がお勧めしている方法です。

これはドルコスト平均法の反対を考えてみればよくわかると思いますが、資産運用後の相場は一定ではありません。

市況が良い時に一定額を取り崩すと、口数で言うと少なくて済むのですが、逆に市況が悪い時に一定額を取り崩すと、思ったよりたくさんの口数を解約してしまうことになります。

期間を通したリターンが同じでも、運用開始の早い時期にマイナスが続くと予想より早く資産が減ってしまいます。
これを収益列配列のリスクと呼ぶのですが、定額取崩しにはこの欠点があるのが定率取崩しが推奨される理由です。

理論的に考えると定率取り崩しが優れているということは言えると思います。

しかしながら、実際の高齢者の生活を考えてみるとこれはあまりフィットする方法ではないと思っています。

実際、高齢者は収入も限られその範囲で慎ましやかに暮らすというのが一般的です。

その中で入ってくるお金について、その時々によって増えたり減ったりするというのでは安定的な老後生活が送れません。

極端な話、ニュースで「ダウが上がった」「日経平均が下がった」ということに一喜一憂する生活を定年後も続ける必要があります。

こういった状況に一喜一憂するのは、老後のストレスでありお勧めできないというのが私の考え方です。

そもそも高齢期になると、いつ病気になるか、いつまで生きられるかなど予測不能なことが多いです。

株式相場の変動だけを、過度に気にしても仕方がないと思います。

 

2) 定額取崩し

私が自分の想定をしているもう一つは定額取り崩しです.

老後の年金は、偶数月の15日に入ってくるので、奇数月に証券会社からお金が入ってくるというのは現役サラリーマンの頃と同じような感覚で家計を運営できることで非常に居心地がいいものだと思っています。

定率取り崩しに比べて資産の寿命が長くなるか短くなるかは、実際のところ市況によるので、この方法が悪いとは思っていません。

いまのところ私の資産運用では、リスク資産と非リスク資産を分けて運用しているため、時々リバランスの作業が必要です。

将来的に、低コストで債券も含んだバランスファンドだけに金融資産を一本化して、低額取崩しを設定すれば、究極のほったらかし&資産運用しながら取崩しが実現できると考えています。

これまで SBI 証券がこの方法のサービスをしていてブログでもオススメをしてきました。

いまのところ楽天証券のサービスは、毎月取崩しですが、SBI証券のサービスでは2ヶ月に一回が選べます。

楽天証券でも、こういった隔月受け取りができるようになるのを期待したいところです。

 

3) 計画的取崩し

3番目の方法は市況とは関係なく、自分のライフプランに従って取り崩しをするというものです。

ファイナンシャルプランナーが作るキャッシュフロー表というのがありますが、何歳の頃にいくらぐらいを取り崩すということをあらかじめ決め、そのそれに従ってその金額を取り崩す事です。

少し合理的ではないように思えますが、実際には老後の生活と言っても全く同じ日々が続くわけではありません。

配偶者の退職、家のリフォーム、記念の海外旅行など様々な自分のライフプランを考えてキャッシュフロー表を作っておくと、概ねどの程度の金額が取り崩せるか予定が立ちます。

それに従って必要額を取り崩していくのがこの方法です。

運用が上手くいくいかないによって取り崩す原資は変わってきますが、キャッシュフロー表を一度作っただけでなく、こまめに見直しをすることによって計画的な老後生活とできるだけ寿命を伸ばす資産運用の両立ができます。

 

3. 資産全体のバランスを保つ

投資信託を指示どおり現金化出来るとしても、老後の資産全てが投資信託という人は少数派でしょうか。

個人向け国債や定期預金と組み合わせてポートフォリオを構築しているひとなら、自動で取り崩すとバランスが崩れてくるので注意が必要です。

定期的に、リスク資産の比率を見直しリスクを取りすぎないようにするリバランスという作業が必要ですが、それも面倒な人は低リスク、低コストのバランスファンドを選ぶのもいいでしょう。

さらに重要なのは、年金収入やその他の社会保障給付を含んだ全体像を把握しておくことです。

 

まとめ

楽天証券の新しいサービスによってインデックス投資の「ほったらかしで運用できる」メリットが資産運用の出口においても使えることになりました。

私のようにすでにシニアライフに入っていて、元気な時間が限られている人間にとっては、資産運用に頭を悩ますことなく運用が継続しながら定年退職ライフをエンジョイできるというのはとても素晴らしいことです。

楽天証券とすれば顧客の預かり資産を減らす仕組みなので、営業的にはあまり良いことではないのかもしれませんが、シニアのためにこういったサービスを考えていただいた決断に拍手を送りたいと思っています。

楽天証券