みなさんこんにちは
安井宏@定年退職FPです。
今年も「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」を投票する季節がやってきました。
私にとってはブロガーとしての活動デビューの場であり、知り合いが増えたり、取材を受けたり、著名人に会えたりと、投資家ブロガーとしての活動の幅を広げるイベントでした。
残念ながら今年はコロナ禍のせいで表彰式はオンラインとなってしまいました。
しかしながら最近の個人投資家をめぐる状況の総括ということで、今年も自分の想いを一票に込めて投票してみました。
+++もくじ+++
1. ファンドオブザイヤーとは
投資を題材にブログを書いている投信ブロガーたち、彼らの知識というのはプロを上回る人もいるほど深いものがあります。
そんな人たちが毎年、自分の思いを込めて一票を投じてきたイベントが投信ブロガーが選ぶ fund of the Year です。
今年は11月1日から11月30日までの間に投票が行われます。
対象となる投資信託は10月末までに設定された投資信託ですが、上場している投資信託であるETFも含みます。
ETFについては日本で上場されている商品だけではなく、海外籍のETFであっても日本の証券会社を通じて買い付け可能なものは対象です。
投票は持ち点5ポイントを一つのファンドに投票してもいいし、複数のファンドに振り分けて投票してもいいという方法です。
例年であれば1月に表彰式をして、その後懇親会ということでとても大きな盛り上がりがあるんですが、今年は残念ながらオンライン開催ということになりました。
もともとブロガーは、オンライン上で活躍している人たちなので、交流会がないのは残念とはいえ、投票行動については例年通りだと思うので、私も心を込めて投票しました。
2. 今年投票した投信について
今回私が投票したのは、MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信 (2559)でした。
昨年、一昨年とは違い、ポートフォリオの中心に据えるにはちょっと若い、今年上場したばかりのETFです。
わたしのポートフォリオの中心ではなく、いわば打診買いしたETFですが、将来を買っての1票です。
3. MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信の特徴
私のようなシニア投資家から見て魅力的な特徴を備えたETFです。
1) これ一本で世界に分散投資できる
指標としてMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスを採用し、これ一本で世界中に手間なく分散投資できます。
全世界(先進国と新興国)の株式市場のうち、大型株と中型株の動向を表す指数で、銘柄数として約3000銘柄で構成され、上位銘柄はApple、Microsoft、Amazon.comなどです。
世界の株式時価総額の約85%をカバーしているので、ほぼ世界に分散投資していると言えるでしょう。
なお、世界分散投資のインデックスとしては、よりカバー範囲の広いFTSE Globel All cap indexとかもありますが、運用のしやすさ、つまりはパフォーマンスを考えればこちらの指標で良いと考えられます。
このETFはマザーファンド自体は投資信託として大人気のeMAXIS Slimオールカントリーと同じであることから、ファンドの純資産総額が少ないなかでも比較的安定運用できています。
2) 運用会社に好感が持てる
このETFは、投資信託のeMAXIS Slimシリーズで、ファンドオブザイヤー常勝軍団である、三菱UFJ国債投信株式会社が手掛けています。
同社は投資家に寄り添った運営姿勢で、ファンドオブザイヤーに参加する個人投資家の信頼も厚い運用会社です。
私は先日、同社のブロガーミーティングにも参加しましたが、顧客の声を聞こうという姿勢、コスト削減のための涙ぐましい努力には頭が下がりました。
そういった努力もあり、このETFの信託報酬は年率0.0858%(税抜 年率0.078%)と驚異的な低コストです。
3) なんと言っても国内上場
これまで日本の国内にETFは上場されていても個人投資家が全世界に薄く広く分散投資しようとするときに、低コストで魅力的なETFというのはありませんでした。
初めて魅力的と思われる商品が上場されたのがこれで、今年1月の上場時から非常に大きな関心を持って見守っていました。
多くの優良ETFは米国などで上場されてますが、国内上場のため日中に取引できるなど、格段に便利です。
心配は売りたいときにちゃんと売れるかということですが、マーケットメイク対象銘柄となっているため、流動性も確保されています。
4) 換金価額はリアルタイム
通常の投資信託はその性質上、換金しようとした時に実際いくらで換金されるかというのが分かりません。
最近のような株式市場の変動の大きい時期には、これが不安要素です。
この国内に上場されているETFであれば、株式と同様に日本の平日昼間に指値等で価格を見ながら市場価格で売却ができるので、思わぬ価格で約定してしまうというリスクがありません。
わずかな話ですが、特に頻繁に売却する資産取崩し期のシニアにとって、一つの不安を取り除ける要素です。
5) 収益分配があること
つみたてNISAなどで使われる投資信託では、税金の関係から収益の分配がなく、課税を先送りできることがメリットと言われてきました。
このファンドでは、年2回の決算時(6・12月の各8日)に分配を行い、分配金額は、経費等控除後の配当等収益の全額です。
ETFでは制度上、収益がすべて分配されるので、これから積立で資産形成しようとする人にとってはデメリットと感じられるかもしれません。
しかし、資産を活用しながら生活をするステージに入った私たちにとっては、むしろ分配金があるほうが 楽しみでもあります。
インデックス投資のデメリットの一つは、することがなく退屈というのがありますが、年2回の配当があれば投資をしている実感がわき、ちょっとワクワクできる瞬間でもあります。
4. 自分の年齢から考えた今後の有望銘柄
四半期ごとに決算数字を出さないといけない機関投資家と違い、個人投資家は長い時間を味方につけて資産形成できるというプラスがあります。
しかしながら、いつまでも継続的に運用できる機関投資家とは違い、個人というのは人間ですから歳を取っていきます。
若い人たちが、これから資産形成をするステージについては、つみたてNISAやiDeCoなど制度が整っているので、その制度の中で最も良い商品を選べば良いでしょう。
例えば税金のことを考えれば、分配金などはなく再投資されるのが良いというのが一般的な考え方です。
一方、私はもう63歳でいわゆる資産形成期は終わり、これからはその資産を取り崩しながら、人生を楽しむ資産活用ステージです。
また、いずれ自分が死ぬこと、それまでの間に認知症になったりして配偶者に様々な手続きを委ねる可能性があること、などを考えると選ぶ銘柄も変わってきます。
その意味で国内に上場されているETFというのは、換金が容易なことなどメリットが大きいと思って注目をしています。
残念ながらそうは言っても購入しようというETFは少なかったのですが、このファンドのおかげで一筋の希望が見えたと思っています。
まだまだ純資産総額が少ないなど、投資の主力にするにはちょっと物足りないですが、長い目で見ていきたいと思います。
そういった思いを込めて今回の投票をしました。
まとめ
今年のファンドオブザイヤーでは、自分の資産の主力であるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)ではなく、新しく上場されたMAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信に投票をしてみました。
取崩し期を迎えた個人投資家にとって、将来のことを考えても非常に有望な金融商品だと思います。
まだまだ資産総額30億円ちょっとと規模は小さいですが、今後長い目で見ていきたいと思います。