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「フィナンシャルジェントロジー」金融庁の新方針に定年退職世代も注目

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みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職ブログです

みなさん、ファイナンシャルジェントロジーという言葉が注目を集めているのをご存知ですか?

言葉の定義は以下のとおりです。

高齢者の金融資産を適切に管理し運用するための研究。日本語では「金融老年学」。高齢化に伴う認知能力の変化が投資行動や経済活動にどのように影響するかを調査・分析し、高齢者に配慮した金融サービスの開発や環境を整備することで、健康寿命の延びに合わせた資産寿命の延伸を目指す。

 野村證券 証券用語解説集より引用

金融庁は、金融行政が目指す方向を明確にするために金融行政方針というのを作って発表しています。

その中の退職世代に関する金融サービスのあり方の検討の文脈でファイナンシャルジェントロジーという言葉が出てきたことを契機に、この言葉が注目を集め始めました。 

これまで金融庁は積立NISAを始めとして勤労世代の資産形成に注力していました。

ようやく定年退職世代に関する取り組みが重要な課題だということに気がつき、取り組みを始めたということです。

これまでも金融庁の方針により、(金融業界が積極的でなかったが利用者に有利な)つみたてNISAなど、税制上有利な仕組みができてきました。

その影響力の大きさを考えれば、この新しい金融庁の取組方針についても、運用&取り崩しをする世代である、わたしたち定年退職世代も注目すべきでしょう。


+++もくじ+++

 

金融資産の6割はシニア世代が保有

世帯主が65歳以上の世帯が金融資産の6割以上を保有し、金融資産の他にも住宅など実物資産を多く保有している状況にあります。 

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」によると、全金融資産のうち60歳代が29.4%、70歳以上が28.3%保有していることになっています。 

ただ、退職世代とのおかれている状況は様々で、老後貧乏という人から多額の遺産を残せる富裕層まで様々であることを踏まえて考えていく必要があります。

とはいえ、平均寿命の延伸傾向が続く中高齢者が、長期にわたって不安なくゆとりある生活を維持していくためには、それぞれの状況に適した資産の運用と取り崩しを含めた有効活用が計画的に行われる必要があります。


高齢投資家の保護の必要性

金融庁によれば、高齢投資家の保護についてはこれまでも販売会社における体制整備が進められてきていますが、フィナンシャルジェントロジー(金融老年学)の観点から、よりきめ細かな高齢投資家の保護について検討する必要があるとのこと。

我が国の高齢化率は世界の中でも最も高い水準になっています

退職世代に関する取り組みが重要な課題であることから退職世代の金融資産の運用取り崩しをどのように行い、幸せな老後につなげていくか、金融業はどのような貢献ができるかについて検討するのは重要な課題です。

これまで資産運用の世界では人間の老いによる行動の変化などについて考慮することはあまりありませんでした。

もちろんライフプランを検討する中で、死亡する時期を予測し、そこから逆算して資産形成を想定しているのは確かですが、加齢そのものが経済行動に与える影響までは考えられていません。

しかし高齢化では世界最高水準の日本において、これまでどの国も経験してこなかった分野を研究し、社会の仕組みを変えていくのは重要で、そういった観点からファイナンシャルジェントロジー研究が始められているようです。


認知機能低下がもたらす金融取引の困難さ

高齢者の金融資産で特に問題なのは、高齢者の資産の中に、株式や投資信託、外貨貯金、不動産といった「購入した金額よりも価値が下がるリスクを含んだ資産」が多く含まれているということです。

本来、こうした資産はしっかりした判断能力を備えた若い人が持つべきです。

ところが、若い人は資産を持っていないので、結果として高齢者にリスク性資産が集まってしまっています。

内閣府の「2017年版高齢社会白書」によると、2012年の65歳以上の認知症高齢者数は462万人で、これは65歳以上の高齢者の約7人に1人にあたるそうですが、これが2025年には約5人に1人になるという将来推計があるそうです。

高齢投資家の認知機能の低下は深刻な問題です。

高齢者の利用の多い金融機関の現場では、すでにさまざまな問題が起こっているようです。

口座の利用者が暗証番号を忘れたとか、通帳をなくしたとか、取引そのものを忘れたといった深刻な問題です。

認知機能の低下した人への対応については、金融機関も動き始めています。

例えば城南信用金庫は、高齢者向け総合サポートサービス「いつでも安心サポート」というのを開始し、現金お届けサービス、指定振込サービス、「公正証書遺言作成お手伝い」紹介サービスなどのほか、「城南成年後見サポート口座」という法定後見制度で後見人が、被後見人の財産を厳正かつ安全に管理できる預金口座なども開始しています。

野村證券でも、全店に高齢の顧客を専門的に対応する「ハートフルパートナー」を配置して、高齢の顧客に通常の顧客とは異なる慎重な取り組みを始めています。


テクノロジー進化への期待

近ごろ発展の目覚ましい人工知能の利用が進めば、顔認識や言語認識などの技術によって認知機能の低下の兆候を認識することができるようになります。

最近では表情の移り変わりや言動の一貫性などは、かなりの精度で評価できるようになっています。

慶應義塾大学および三菱UFJ信託銀行株式会社は、長寿社会における資産承継および資産運用・資産管理に関するファイナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)の 共同研究を 2018 年 3 月より開始したとのこと。

今後はこのような産学共同の取り組みなどで、高齢者が安心して金融機関を利用できる環境が整うことを期待したいものです。

 

 

まとめ

定年退職世代の人たちも、老いからは逃れられません。

自分の認知機能が低下してきたときの、金融資産の取扱については、いまはまだ早いにしても、将来的には考えるべき課題です。 

まだまだ時間はあるので、フィナンシャルジェントロジーや金融庁の動向などについて、まずは関心をもつことが大事です。 

定年退職世代こそ、技術変化に柔軟になるのが重要です。

ITテクノロジーの変化だけでなく、新しく出てきた言葉にも柔軟に対応しましょう。

 

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