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GPIF:年金積立金の運用状況から学ぶ。長期投資のための大切な知識。

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みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職FPです。

定年退職を契機に投資デビューした方も、投資は怖いと距離を置いている方も自分の年金のことは気になると思います。

自分でするかどうかは別として、私たちは年金積立金を通じて株や債券に投資をしています。

年金積立金の運用状況は、資産・地域・時間を分散して投資することの重要性を改めて示してくれています。

 

+++もくじ+++

 

GPIFとは

GPIFの正式名称は、年金積立金管理運用独立行政法人です。

日本の公的年金は世代間扶養の考え方が基本で、給付に必要な資金を予め全て積み立てるという積立方式ではありません

しかし、将来的に高齢者世代の割合が高まることから、「保険料のうち年金給付に充てられなかったものを年金積立金として運用し、年金財政の安定化に活用する」ことになっており、その資金の管理と運用を行っているのがGPIFです。

 

何のために年金運用するのか

年金積立金を、そのままおいておけば賃金上昇やインフレなどに負けて実質的価値が目減りしてしまいます。

そこでGPIFが国から与えられる目標最低限のリスクで達成できるように運用することになっており、これは年金の支給を確かなものにするため大切なことです。

下のグラフは、年金の安定的運用に年金積立金が大きな役割を果たしていることを示しています。

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http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

言うまでもなく年金運用積立金は単年度だけではなく長期を見据えて運用すべきなので、一時的な運用結果に一喜一憂すべきではありません、残念ながら運用結果が良くてもニュースにならず、悪いときだけ「年金原資が〇〇兆円失われる」とニュースになったり、国会で追求されたりするのは不公平だし悲しいことです。

 

好調だった2017年の運用成績

2018年7月に発表された「平成29年度業務概況書」によれば、2017年の成績は年度ベースで6.90%のプラス収益と好調です。

良好な経済環境や堅調な企業業績などから、国内外の株式市場が大幅に上昇し好成績となっています。

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http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

 

長期的にみてプラスの運用成績

GPIFは、資産・地域・時間を分散して投資することになっており、運用状況も単年度ではなく、長期的に見ることが重要です。

2001年度からの長期の運用成績を見ても、短期的にはマイナスになることはあっても全体としてはプラスで、時間を経るほど収益を積み上げていることがわかります

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 http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

 

参考にしたい基本ポートフォリオ

長期的な運用においては、短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していく方が、効率的で良い結果をもたらすことが知られています。

このためGPIFでは、各資産の期待収益率やリスクなどを考慮して積立金の基本となる資産構成割合(基本ポートフォリオ)を定めています。

 

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http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

2017年度末のGPIFの各資産の構成割合と基本ポートフォリオは以下で、いずれも乖離許容幅の範囲内に収まっています。

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http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

個人投資家として参考になるのは、このような基本ポートフォリオで運用すれば、実績としても3%超の運用ができたという事実です。

資産を「一つのかごに盛る」ことなく、分散して長期に運用すれば安定的に収益が得られるというのは、どこの資産運用の本にも書いてありますが、実際に私達の将来の年金原資でそれが実証されているというのは心強い限りです。

とはいえ、GPIFの基本ポートフォリオ自体にはいろいろ専門家から議論が投げかけられており、定年退職世代が、基本ポートフォリオをコピーして使うのはおススメではありません 

個人的には、日本円に偏り過ぎでもっと外貨資産を持つべきだと思うし、保守的であるべき年金資産としては内外株式の比率が多くてリスクをとりすぎのような感想を持っています。

政府や国内の政治情勢を忖度し過ぎではないか、政府から与えられる目標(3.01%)が高すぎるのではないかなどと原因を推理しますが、これはまた別の議論なので置いておきます。

年金運用から個人が学ぶべきこと

低コストであることの強み

GPIFの好成績を支えているのは低いコストです。

2017年度の運用資産額に対する手数料率は、わずか0.03%です。過去12年間を通じても平均0.05%となっています。

もちろん巨額の資産を持つGPIFと個人は比べられないですが、銀行で売っている投資信託の高いコスト(購入時手数料+信託報酬+信託財産留保額で数%のものが多い)が法外なものであることは意識しましょう。

ネット証券で扱う投資信託であれば、年率0.1%台のものも有り、定年退職世代の個人投資家は、ネット証券で低コストのインデックスファンドを買う以外の選択肢は考えられません。 

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インカムゲインの重要性

GPIFの2001年以降17年間のインカムゲイン累積額は30.9兆円、収益率は+1.60%です。インカムゲインは市場変動を受けにくく常にプラス収益となるので重要です。

日銀のゼロ金利が効いていて現状は国内債券不調ですが、アメリカの金利上昇などを考えると個人としても重視したいところです。

パッシブ運用の大切さ

投資というと、いまでも急騰する株を探そうだとか、株主優待の充実した株を買いたいとか言う方もいます。

GPIFは、およそ3/4を市場平均に連動するようなパッシブ運用しています。アクティブファンドではコストがかさむ割に、市場平均を上回る成績を残すのが大変です。

個人でもパッシブ運用、要はインデックスファンドを積極的に利用するのが、低コストでほどほどの成果を上げる近道です。 

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http://www.gpif.go.jp/operation/state/pdf/h29_q4.pdf

 

まとめ

GPIFの運用状況を見ながら、個人が参考にすべきことを見てきましたが、改めて資産を分散して運用することの重要性を再認識させてくれます。

寿命に限りある個人とGPIFは、運用期間も金額も違うため、単純な模倣はできませんが、長期分散投資、低コスト運用、パッシブ運用など学ぶところは多いと言えます。

あなたの年金が、すでにこのように運用されていることを思い起こしながら、個人の資産運用をもう一度考えてみるのはいいのではないでしょうか。

 

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