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定年退職者のインフレへの備えを考える

f:id:teinen2018:20201112080037j:plainみなさんこんにちは

安井宏@定年退職FPです

新型コロナウィルスが世界で猛威をふるい、失業者の増加や飲食店の閉鎖など、経済が大きく傷んでいます。

にもかかわらず、世界の株式市場では株高が続いています。

そしてこの先心配なのはインフレ。

年金生活者がインフレに弱いのは古今東西共通で、備えは必要です。

 

+++もくじ+++

 

1.コロナ禍での株高のわけ

コロナ禍で経済が落ち込んでいる中でも株価は好調です。

短期的にはアメリカ大統領選挙やワクチンなどの要因があるにしろ、根本的にはコロナ対策で各国で金融緩和に加え大幅な財政出動がされていることが要因です。

コロナ禍で困っている人や事業者がいる中、大幅な財政出動が必要なのは当然で、日本はもちろん欧州、アメリカなどが様々な経済対策で支出を増やしています。

例えばEUは「財政赤字を国内総生産(GDP)比で3%以内に収める」といった厳しい財政ルールを持っていますが、新型コロナの感染が広がり始めた3月以降、このルールを一時的に停止し、各国にコロナ関連の経済対策を促しています。

すでに財政赤字世界一の、わが国にいたっては、今年度の1次補正では26兆円弱、2次補正では32兆円弱の支出を追加の大判振る舞いです。

さらに3次補正予算も編成するなど財政規律を忘れた政治家の大合唱が続いています。

不動産や株式・金など「資産の量」が増えないのに、市中に出回るお金の量が増えるとモノの値段が上がりインフレになるのは当然です。

 

2.定年退職者とインフレ

インフレになっても働き盛りのサラリーマンであれば、給料もどんどん上がり困窮することはありませんが、収入の限られる定年退職者は特に注意が必要です。

1) 年金生活者はインフレ弱者

定年後の生活資金の柱は程度の差はあれども公的年金というのが普通です。

これまで歴史上、様々な国で財政破綻やハイパーインフレが起こってきましたが、それにより最も困ったのが年金生活者と公務員というのはほぼ共通です。

日本の年金は、物価上昇に伴い増える仕組みですが、マクロ経済スライドという制度のため、物価の急上昇ほどには増えず、実質的にはインフレ負け組になります。

年金は重要な定年後の柱ですが、以前騒がれた「2000万円問題」でも明らかなように、それだけに頼って老後を過ごすのは心配過ぎます。

 

2) あなたの余生は長い

老後資金の話になると、「俺はそんなに長生きしないから」という人が必ずいますが、その自信はどこから来るのでしょうか。

まさか死神と約束していないでしょうから、ここは統計データをもとに、ある程度の目安を立てるのが賢明です。

2020年版厚生労働白書では、2019年に65歳の人が90歳まで生きる確率は、男性で36%、女性で62%と予想しています。 

■ 65歳の人の生存割合

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https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/19/dl/1-01.pdf

今の貴方と同じ年齢の人が平均的にあと何年生きるかは厚生労働省のホームページで男性女性別に発表している簡易生命表で知ることが出来るので一度見てみるといいでしょう。

老後の期間は結構長いので、それなりの備えが必要です。

  

3.インフレ対策の定番

インフレというのはお金の実質価値が下がることですから、現金を持っておくのではなく株式、不動産、金などの資産を持っておくのが定番の対策です。

日本のような財政不安のある国の場合は、他国以上のインフレのため、極端な円安も想定されるので、資産の一部を外貨建で保有しておくのも重要です。

また、長期固定金利の住宅ローンなどもインフレで借金が目減りすることからインフレ対策として有効です。

 

4.定年退職者のインフレ対策

インフレ対策の定番は決まっているとはいえ、定年退職者には向き、不向きがあります。 

1)不動産より株式

大家さんになって毎月安定収入を得るのは、みんなが憧れる方法です。

しかし不動産には思いの外リスクが多く、さらに不動産投資はいざという時の現金化に時間がかかったり思うような値段で売れないなどの難があります。

リスク分散のため不動産を持つことは否定しませんが、投資額も大きいことから、あなたの資産額がそれほど大きくないならやめたほうがいいでしょう。

自分の資産額に応じて、弾力的に利用できる株式投資を利用してインフレに備えるのが最も簡単な方法です。

株式というのは企業の価値を証券にしたものです。

どの企業も利益を上げるため日々活動しています。そのため基本的に株価は物価上昇以上に上昇する根本的な性質を持っています。

個別の株価は業績、環境により激しく変動しますが、投資信託などを利用して幅広く分散投資することで、リスクの低減を図りましょう。

  

2)株式投資で重要なのはリスク管理

株式投資をする際は、いきなり資産の全額を株に投入するのではなく、自分が負えるリスクを十分考えて、その範囲内で株式投資しないといけません。

どの程度のリスクが負えるかは人それぞれで、株式などのリスク資産が最悪半分になっても、夜ぐっすり寝れるくらいという言い方もあります。

あるいは、100から自分の年齢を引いた%を株式等に投じるという考え方もあります。

63歳の私自身はこの考えに習い、全金融資産の40%を株式などリスク資産、残りをネット銀行の預金や後述の個人向け国債など、価格変動のない非リスク資産に振り分けて運用しています。

 

3)外貨資産保有は必須

定年退職後のみなさんは、金額の多寡はあれど年金をもらう権利をお持ちの方が大半だと思います。

手元に現金はありませんが、死ぬまで2ヶ月に一度年金が振り込まれるということは老後の生活安定の大きな柱です。

ところがそれは全て、日本円で振り込まれます。
手元にお金はないんですが、定年退職者は将来もらえる年金資産という形で円の大きな資産を持っていることになります。
インフレになり、特にそれに急速な円安が伴なえば実質的に価値が目減りする可能性があります。

したがって、ドル建て商品などの外貨資産を一定程度持って、円安に備える必要があります。

株式などリスク資産投資の中で、全世界に幅広く分散投資するインデックスファンドなどを選んでおけば、この面でも安心です。

若い人であれば 金融資産の一部を外貨で持っておくだけでいいと思いますが、定年後の人は、それよりさらに多めに外貨資産を持っておいた方がいいでしょう。

ちなみに私の場合は、全金融資産の半分を外貨建てとしていますが、それでも将来もらえる年金を勘案すれば、多すぎることはないと思っています。

 

4)非リスク資産は個人向け国債

 金融資産のうち、株式などのリスク資産に振り向けない部分はどうすればいいでしょう。

低金利の続く日本では、実際のところ十分な利息を得られる手段はありません。

しかしながら証券会社だけでなく郵便局などでも購入できる、個人向け国債変動10年物という商品があります。

個人向け国債は3種類ありますが、お勧めできるのは変動金利で10年満期のものだけです。

これは個人だけが買える特別な商品で、機関投資家などからも羨まれるような商品です。

国が発行する手軽な債権で、1万円から始められて元本割れの心配がなく、発行してから1年経てばいつでも中途換金が可能です

年0.05%の最低金利保証があるということで、現在の金利の環境では比較的高金利と言えるでしょう。

さらに今後、世の中の実勢金利が上がってきた場合、適用される金利がそれにつれて変わるため、ある程度はインフレに対応ができます。

  

まとめ

これからのインフレ対策の話しをしました。

まとめると、

  • 不動産などではなく、株式など取り崩ししやすい資産を持つ
  • 低リスク株式投資+外貨保有がおすすめ
  • 非リスク資産は個人向け国債変動10年で保有

ということになります。

インフレを期待しているわけではありませんが、備えあれば憂いなしで、株価上昇で世の中が浮足立っているいまこそ、将来を見据えた準備をすべきでしょう。 

 

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