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【お金の流れで読む日本と世界の未来、世界的投資家は予見する ジム・ロジャーズ】定年退職FPの書評

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みなさんこんにちは
安井宏@定年退職FPです。

ジム・ロジャーズといえば、投資に興味のある人なら誰でも知っている大富豪です。 

このたび、ジム・ロジャースへのインタビューをもとした「お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する (PHP新書)」を読みました。

日本人としては、ちょっと背筋の凍るような内容でした。

 

+++もくじ+++

 

ジム・ロジャーズとは

ジム・ロジャースは、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロスと並び「世界3大投資家」と称される「投資の神様」です。

「投資を成功させるためには歴史に学べ」というのが、私のポリシーである。

歴史の流れを踏まえながら先を読むのが大切として、これからはアジアの世紀だということをかねてから言っています。

大富豪の中には、ウォーレン・バフェットのように企業の価値の判断を通じて巨万の富を築いた人もいますが、ジム・ロジャースはいわば行動派です。

自ら世界を旅行したり、歴史を学ぶことによって自分の行動を変えてきました。

これまでリーマンショックやトランプ大統領の当選を予言したりといった形で、先見の明のある投資家として有名です。

実際2007年には家族ごとシンガポールに移住し、自らの主張を実践しています。

 

本の内容

ジム・ロジャースの最新の本が本書です。

【目次より】
●序章 風はアジアから吹いている――ただし、その風には「強弱」がある 
●第1章 大いなる可能性を秘めた日本 
●第2章 朝鮮半島はこれから「世界で最も刺激的な場所」になる 
●第3章 中国――世界の覇権国に最も近い国 
●第4章 アジアを取り囲む大国たち――アメリカ・ロシア・インド 

●第5章 大変化の波に乗り遅れるな 
●第6章 未来のお金と経済の形

全体として、アジアの投資環境について楽観的に書かれています。

特に、日本ではあまり語られない北朝鮮について、投資チャンスのある国として強く押しているのが印象的です。

実際、北朝鮮は現在の地政学的リスクはあるものの、豊富な鉱物資源や安い労働力に恵まれており、本書を読んで改めてそのポテンシャルに気付かされました。

 

人生において成功する方法についても書かれてますが、特に印象的なのは学歴は成功と関係がないと言う点と、そうは言いつつ良い成績を取ることが「自分がやりたいことを選択することができる」としている点です。

自分の子供への投資教育を引用して、「頭を使って正しく投資をすれば、金が自動的に金を生む。それが投資の面白さだ」と投資家らしいまとめをしています。

 

共感できる日本への見方

彼は大の日本好きとして知られており、東京の食文化、京都の歴史文化などを絶賛していますが、その将来には悲観的です。

理由としては、借金が膨大で少子化が進んでいること。

人口が減少し、さらに移民を受け入れない国に将来大きな問題が起きるのは、歴史も物語っている明白な事実だ。

ここでは歴史を引用し、外国人を排除したガーナの例や、国を閉鎖して最貧国となったミャンマーの例などを紹介し、日本に将来がないと結論づけています。

わたしも借金まみれの日本の財政状況や、少子高齢化については心配していますが、歴史を引用し、世界の例を語る著者の主張には説得力があります

 

日本人へのアドバイス

私がもし10歳の日本人なら、ただちに日本を去るだろう

衝撃的なことを言ってますが、実際のところ私達に役立つアドバイスではありません。

日本の将来に困難が待ち受けていることには同意できるものの、対処する方法については書かれていないのは残念です。

ジム・ロジャースのこの本では、歴史は繰り返すではなく、歴史が韻を踏むように同じ形をするということを書いています。


現時点で日本は世界一の対外純資産を持ち、外貨準備高で世界2位となっています。

しかしながら政府が膨大な借金を持っているために、その将来は暗いというのがジム・ロジャースの結論です。

債務が大きい国は国は常に酷い姿になって終焉する、こういうことは全ての歴史が教えてくれる。

そして「もし私が10歳の日本人だったら日本を離れて他国に移住することを考える」という言い方で危機感を表現しています。

現在の国の借金、あるいは日銀の出口なき資産膨張などを考えると、荒唐無稽な話とは言えず背筋が凍る思いです。

 

個人投資家の対処方法

日本の将来に大変悲観ですが、ジム・ロジャースに限らず悲観論を展開する識者は増えているようです。

以前に、藤巻健史氏の「日銀破綻(幻冬舎)」を紹介する記事を書きましたがロジックこそ違うものの、結論として日本がひどいことになると予想するのは同じです。

リアルアセットを所有している人は生き残り、政府を信用しきっている人は金儲けをすることができない。特にインフレの時は、政府を信用してはいけない。

いずれにしろこの借金を返す、後始末をして尻拭いをするのは日本の国民です。

わたしは今の子供、あるいはこれから生まれてくる子どもたちの未来を食いつぶすよりは、借金を作った今の高齢者たちが超インフレで資産を失う方がマシだとは思っています。

とはいえ、個々人としては自分の資産を守るべくシートベルトを締める時期に来ているでしょう。 

私はすでに定年退職をしており自分の稼ぐ力はどんどん落ちてきます。

やがて収入の中心は公的年金になり、金融資産を運用しつつ取り崩しながら生活していくことになります 。

膨大な借金で国が悲惨なことになった時、起こるのは超円安とそれに起因するハイパーインフレです。

例えば1ドルが 500円とか1,000円とかになった姿を考えてみると、今のように日本から海外に旅行することも出来なくなり街に失業者があふれ犯罪が激増するかもしれません。

逆に外国からは日本にたくさん観光客が来ていろんなものを買うでしょう。

また、日本の会社が次々とアジアの 諸国の資本家に買収され、ボスは中国人やフィリピン人といった事態が起こるかもしれません。

そんな中、定年退職者たちはどうなるんでしょう。

政府の借金がインフレで帳消しになる中、銀行預金などで持っていた高齢者の金融資産が実質的に価値を失うのが予想される未来です。

 

もらえる年金はどうか。「年金は100年安心」と言ってますがもちろん国が潰れない限り年金はもらえるでしょう。

しかしながら、その円でもらう年金の実質的な価値が大きく下がってしまっているというのが論理的な結論です。

今、資産防衛策を考えるなら、金融資産については幅広く分散投資をしておくというのが安全策というのはほぼ常識でしょう。

特に重要なのは、日本円だけではなく外貨資産をたくさん持つことです。

別にドルの現金を持っておく必要はありません、為替予約のない外国資産、例えば全世界に分散されるような形のインデックスファンドを持っているのがいいと思います。

 

まとめ

日本が大好きな、ジム・ロジャースの提言には考えされられるものがあります。

膨大な借金を作ったつけは、結局国民が払うことになります。

日本を逃げ出せないなら、しっかりシートベルトを締める時期になっていることを自覚して悲惨な老後にならないように準備することが必要です。