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目まぐるしく変わる医療保険制度の改悪に負けない定年後生活設計のやり方

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みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職FPです。

2018年8月から、高額療養費制度が一部改正になり、これまで自己負担の上限額が一律だった70歳以上の「現役世代並み所得者」は、課税所得で3つに区分されました。

690万円以上の課税所得があれば、1カ月に100万円の医療費がかかった場合、変更前は約8万7千円の自己負担額だったものが、25万円超となり3倍増となってしまいました

高齢になると医療費がかさみますが、日本の素晴らしいところは公的な保険制度が充実していることです。

一般的には3割負担と言われていても、金額が高くなれば高額療養費制度によって上限があるありがたい仕組みです。

しかし国の財政が厳しい中で、その上限についても徐々に制約が強まってきているようです。

これまでも、医療保険制度は目まぐるしく変わっていますが、収入の限られた定年退職後の生活設計をするにあたっては、これまでのトレンドから先を読み、将来のことも考えながら医療費に対応する必要があります。

それは医療保険に入ることなどではなく、定年後の生活設計をフロー重視からストック重視に変えることです。


+++もくじ+++

 

 

年齢とともにかさむ医療費

一人当たりの医療費を年齢階級別に見ていくと、年齢とともにその額は上がります。

60歳以上になると急速に医療費が増え、多くの人が死亡する85歳以降になると一人当たり100万円以上の医療費がかかっていることがわかります。

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https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/kiso26_teisei_3.pdf

 

医療費負担の原則

日本は国民皆保険制度を通じて、世界最高レベルの平均寿命と保健医療水準を実現しています。

国民全員が公的医療保険で保障されていて、なおかつ医療機関を自由に選べる。しかも安い医療費で高度な医療を受けられるというのは日本が世界に誇っていいことです。

これに必要な費用については、加入者が支払う保険料・税金・そして一部が患者負担となっています。

医療費のうち患者が負担する割合は、現役時代には、ほとんどの場合3割負担ですが、高齢者になってくると年齢や所得によって、1から3割と大きく違います。

すなわち同じサービスを受けたとしても支払う金額は3倍も違うということで、支払った金額に応じてサービスを受ける民間の保険とは全く異なります。

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https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html

 

高額医療に上限、高額療養費制度

医療費のうち患者が支払うのは、1から3割ですが、それでも医療費がかさんだ場合には患者自身の負担が大きくなりすぎることがあります。

そこで高額療養費制度は家計に対する医療費の自己負担が多すぎないように医療自己負担に一定の歯止めを設けている仕組みです。

年齢の区分ごと、また所得の区分ごとに限度額が決まっています。

平成29年8月から70歳以上の方の上限額が引き上げられたのに続き、平成30年8月から70歳以上の方の上限額、特に現役並み所得と言われてる人達の上限額が3つに細分化されて負担が大きくなってきます。

 

徐々に負担が増える制度改正

公的な医療保険制度は、制度創設以来たびたび改正されていますが、近年の方向としては厳しい財政状況のもとで、高齢者を始めとする受益者の負担を増やす方向に動いてきています。

もちろん所得に応じた負担の枠組みを入れることで、低所得者に対する配慮はされていますが、残念ながら負担増に向かう流れは変わりそうにありません。

例えば冒頭で述べた高額療養費制度の場合制度が導入された1973年の上限はわずか月3万円でした。

それがここまで増大してきたのはまさに医療費の膨張が問題視されるようになったことに由来します。

 

所得に注目し将来の負担増に対処

定年後世代にとっては、定年後生活設計の上で医療費対策の視点が欠かせません。

医療費対策と言っても新たに医療保険に入りましょうという話ではありません。

医療保険に限らずですが、保険については自分で払えるお金があればそれで備える方が保険会社のコストの分だけお得です。

公的医療保険制度は民間の保険と違い、支払った金額と受けるサービスが釣り合っているわけではありません。

極めてアンバランスなので、そのあたりの仕組みをよく理解して、出来るだけ負担を少なく適切な医療を受けれるように賢く行動することが必要です。

 注目すべきポイントは、課税所得です。

医療費の自己負担は課税所得によって左右されるため、年金の受給時期を調整したり、金融資産の税金の支払い方法を考えたりすることである程度の対応が可能です。

 

ストック重視で定年後生活設計 

医療に限らず介護も含めた公的な社会保障において、自己負担の算定の根拠になるのは課税所得です。

すなわちフローの収入が基準になっています。

貯蓄や株・不動産などストックが根拠になっていないことに注目しましょう。

金融の考え方からいけばストックで持っている株や土地貯金などは、いつでも現金に変えて使うことができます。

ファイナンシャルプランナー的にはフローの収入も、ストックが生むお金も一緒なんですが、現在の社会保障の枠組みを考えればできるだけ株や現金でお金をもっておくほうがいいでしょう。

巷では「70歳まで年金の受給開始を遅らせて、70歳以上で1.4倍に増額した年金をもらいましょう」と提唱されていますが、そのためには70歳まで預貯金などストックを切り崩して生活しないといけません。

むしろ社会保障の仕組みや制度改正の背景を考えれば、逆に金融資産などのストックはできるだけ温存し、課税所得を抑えて医療費や介護費の負担を減らすのが、安心できる定年後生活の設計に繋がります。

 

まとめ

定年退職後に年齢を重ねるにつれ、医療や介護の費用がかさむことについては残念ながら抗いようがありません。

少しのお金の知識を備えることで制度の改悪に負けない定年後の生活設計をしましょう。

今回はフローではなくストック重視の生活設計をすることを提唱しました

金融資産などのストックについては、収入があったとしても税金が2割程度で済むこと、含み益は算入されないこと、源泉徴収あり特定口座など申告の方法などにより市町村に所得を把握されない方法があることなど、様々なメリットがあります。

うまくこのメリットを活用することで今後ますます増えると思われる医療や介護の自己負担に備えましょう。

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