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投資信託かETF、退職金の運用に向くのはどっち?

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みなさんこんにちは
安井宏@定年退職FPです。

定年退職の後は、大きなリスクを取ることなくインフレに負けない程度の投資をするべき、というのは多くの人に理解をされてきたようです。

幅広く分散投資をするためには、多くの場合「投資信託」か「 ETF」 が使われます。

幅広く分散して投資できるといったところでは同じですが 、実際の使い勝手や中身は違います。

これから定年後に退職金などで資産運用をしようという方に、向き不向きをご紹介します。

結論を先に言うと、ファイナンシャルプランナーの私が愛用しているETFがオススメです。

 

+++もくじ+++

 

投資信託とは

投資信託は、小口の資金を集めて専門家が運用をするもので、どのような対象に投資してどのように運用するかは予め決まっています。

投資信託は、それを運用する「運用会社」で作られ、ほとんどの場合証券会社、銀行、郵便局などの「販売会社」を通じて販売されますが、一部は運用会社が個人投資家に直接販売するものもあります。

投資信託の投資対象は、株式や債券など元本保証でない値動きのあるものが中心ですが、その利益も損失も投資家に帰属します。

運用会社は、実はお金を預かるわけではなく、「信託銀行」に会社のお金とは別に分別保管した投資家のお金を、どのように運用するか指図するのが仕事です。

したがって、運用会社の経営が仮に破綻しても、金庫番役の信託銀行がお金を守っているので、投資家のお金が失われることはないという、投資家保護の役割分担が出来ています。

 

ETFとは

ETFは、Exchange Traded Fundsの略で、投資信託のうち証券取引所に上場されているものです。

証券取引所に上場されているため、株式と同様にその時点の値段で売り買いができます。

日本のETFはもちろん、外国の法律に基づいて組成された外国籍ETFも証券会社で簡単に購入することができます。

日本株で言えばTOPIXや日経平均株価、アメリカ株ならNYダウなど、ベンチマークと言われる指数に連動して運用されています。

 

米国などに比べて日本のETFの歴史は浅く、取扱金額などで内外の差は極めて大きいです。

個人投資家も今では簡単に海外籍のETFを購入することができるので、これからETF購入を考える際は、バンガード社などアメリカの大手運用会社のETFをまず検討すべきです。

ETFの投資対象は実に多様で、日本株、米国株だけでなく債券やREIT(不動産投資信託)、商品(コモディティ)等に投資できます。

投資にあたっては、どの商品を買うかより、まず何に投資するかを考えて、その投資対象を適切に表すベンチマークを探し、そしてそのベンチマークに連動するETFを購入するという流れになります。

 

投資信託のメリット・デメリット

(1) メリット

投資信託は、実際のところ個人投資家では金額が大きくなりすぎて実現ができない分散投資の手段や、高度な専門家の知識で売り買いするために使われます。

通常、株式を買うためには大きな単位のお金が必要ですが、投資信託の仕組みを使うことで、少額から幅広い株式投資ができます。

このことは、これから資産を積み上げて行こうという人たちが毎月つみたて投資を少額でしようとする場合に役に立ちます。

証券会社にもよりますが、100円から積み立てができる投資信託は、特に資産形成期の若者にとって非常に使い勝手が良いものです。

また、楽天証券 など一部の証券会社では、ポイントを使って気軽に投資ができるなど、投資のハードルは大きく下がっています。

 

(2) デメリット

投資信託は値動きのあるものに投資するので、市場で値が下がって損をする市場リスクは本来的にあります。

しかし、それ以外にも注意しておく事項があります。

① 投資する価値の無いものが大半

日本には、投資信託が6000本もあり、様々な投資機会を提供していますが、残念ながら多くは投資する価値の無いものです。

賢い投資家が買うべきでない商品は、手数料が高いもの(年0.5%以上)、人工知能や5Gなどテーマ型の投資信託毎月分配金のあるものなどです。

最近では、「つみたてNISA」の制度ができたおかげで、金融庁が精選した投資信託がつみたてNISA対象商品として、公表されています。 

このリストにないものは、購入を控えるのが賢明です。

 

② 繰上償還リスクが有る

投資信託には、「繰上償還」といって途中でファンド運用を止めてしまうリスクがあります。

具体的には、思ったよりお金が集まらない、あるいは解約が進んで投資信託の資金規模が小さくなって効率的に運用できなくなった、などの理由で運用を中止しています。

一般社団法人投資信託協会が、投資信託に関する各種情報を公表していますが、2018年1~7月には137本が満期を迎える前に繰り上げ償還されたということで、決して稀に起こる事態ではありません。

もちろん、繰上償還されてもファンド保有者のお金はその時点の基準価格で返ってきます。

しかし、その時点で税金が確定してしまうことや、意図していた運用が続けられない、別の投資信託を購入するのに手数料など余分なコストがかかる、などのデメリットが生じます。

投資信託の購入を検討する際には、純資産が小さすぎるもの(30億円以下)、前年に比べて純資産額が増えていないものは避けたほうが良いでしょう。

 

③ 売却に時間がかかる

現物株式やETFと異なり、売りたいその時に売却できるわけではありません。

換金しようと申し込んでも、市場が大きく動いているときは意図しない価格で換金されるリスクがあります。

さらに、市場の急変などで、投資家が一斉に解約に走るなどの際には売買ができないなどの事態がありえます。

最近では、トルコ関係の投資信託が、市場の大混乱で解約受付が停止された例があります。

 

ETFのメリット・デメリット

(1) メリット

個別企業の株式に投資するよりもリスクを抑えながら幅広い投資対象に分散投資することができるのは通常の投資信託と同じです。

通常の投資信託と比べた大きなメリットは、証券取引所に上場されているため、株式同様に指値注文や成行注文などの取引ができることです。

そのため売り買いしたいときに、その時点の価格ですぐに売買できます。

また、一般的な投資信託に比べて、販売会社に支払う手数料がないことやインデックス運用で企業調査コストがないことなどから、信託報酬が安い低コストな金融商品です。

 

(2) デメリット

① 売買単位が大きい

株式同様に証券会社で売り買いするので、購入の際に手数料がかかります。

また、売買の単位が多くの場合10万円程度と大きく、小口の積立投資には向いていません。

小口を長期に渡りつみたて投資する「つみたてNISA」などには適さないので、前述の金融庁のつみたてNISA対象商品参考になりません。

当ブログのような投資ブログなどを見ると、バンガード社のVT(日本含む全世界株)、VTI(米国株)、VWO(新興国)などを勧めている場合が多いようです。

  

② 配当金再処理が手間

ETFは一般的な投資信託と異なり、運用期間中に得られた配当金や利息などからコストを引いた運用収益を決算時にすべて分配します。

資産形成期の運用では、これを再投資するのが定石で、そのための手間がかかるのがデメリットと言われています。

しかし、これは資産取り崩しステージの定年退職者では、分配金をうまく利用しながら取崩し生活ができるのでデメリットと言えるかどうかは投資家次第です。

外国籍のETFの配当については、外国で課税されたのに加え、日本国内でも課税され、2重に源泉徴収で引かれたあとの残額が、口座に振り込まれます。

金額が小さければそのまま放置(申告不要制度)でも良いのですが、一定の計算式のもと外国と日本の両方で源泉徴収された税の一部が還付される制度がありますが、これを利用するためには確定申告の一手間をかける必要があります。

 

③ ベンチマークとの乖離

ETFは、ベンチマークと連動するように運用されますが、諸般の事情でベンチマークと乖離するリスクがあります。

流動性の低さや海外市場との時差など、原因は様々ですがいずれにしろ、ベンチマークと長期に渡り乖離することは、意図した投資ができないという意味で望ましい事態ではありません。

 

定年後の退職金投資はETFがオススメ

結論として、定年後の退職金などの投資にはETFがオススメです。

(1) 投資信託より低コスト

一番のオススメポイントはここです。

投資信託でも低コスト化は進んでいますが、ETFはさらにその先を行きます。

例えば、低コストで人気の投資信託eMAXIS Slimシリーズの米国株式(S&P500)の信託報酬は、0.1728%と十分低コストです。

しかし同じS&P500に投資する、IVVといわれるETFの経費率はわずか0.04%です。

 

数字で見ると僅かな違いですが、定年後の長い期間の運用ではその差が複利で効いてきます。

運用成績は市場次第でコントロールできませんが、コストは自分の選択次第で引き下げできるので、シビアにコストを見定めるのがオススメです。

 

(2) 小口から積立できるのは定年者のメリットでない

売買単位が大きいのがデメリットと言われますが、退職金などある程度まとまった金額の投資では何も問題もありません。

逆に少額から積立できる投資信託では、自分が大口かつ長期保有していても、頻繁に取引する別の顧客のためにファンド自体が売買を繰り返し、結局コスト高になってしまいます。

 

(3) 分配金再投資は問題でない

分配金再投資の手間がかかることはETFの大きなデメリットですが、資産取崩し期の定年退職者にとっては、配当を取崩しの一部として利用できるので問題になりません。

  

まとめ

わたし自身は、定年退職後の資産運用のうち、リスクを取る部分の大半は全世界の株式に時価総額に応じて投資するVT(正式名称はバンガード・トータル・ワールド・ストックETF)というETFで運用しています。 

>>>関連記事:【退職金の運用】シニア・ファイナンシャルプランナーが愛してやまないVTの魅力とは - わくわく定年退職ライフ

 

最近の書物やブログでは、「つみたてNISA」が花盛りで、小口投資になることから必然的に投資信託が注目されています。

これから資産形成をする若者向きにはそれでいいのですが、退職金額などまとまった金額を運用される場合には、メリットの大きいETFを検討されてみてはどうでしょう。

 

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