定年退職した人たち、特にそれまで投資の経験がなかった人たちは、退職金が入ったからと行って、証券会社などが主催する無料の投資セミナーに行ってしまいそうですが、それは危険です。その前に本などで勉強した方がいいです。
私が絶対的にお勧めする投資本としては、「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理」という本があります。
これは世界的な名著で、分散投資やインデックス投資の有用性について、これでもかというくらい、事細かに書かれていおり、版を重ねて日本では原著第11版が発売されています。
しかし当然のことながら、日本市場に向けて書かれてるわけでもなく、日本の税制や超低金利という金融環境にぴったりでないところが多いです。例えば、アメリカだと長期金利は2%半ばと正常になっていますが、日本は日銀の超金融緩和策が続き、長期金利はほぼゼロです。
そんな中で、おすすめの本が出てきました。
タイトルは、お金は寝かせて増やしなさい
著者は、水瀬ケンイチさんという、有名なブロガーの人で、投資のプロでない普通のサラリーマンです。
本では徹底した個人投資家の目線で血と汗と涙に滲んだ15年の投資経験をもとに、プロにも負けない、インデックス投資の始め方から終わらせ方までを、極めてわかりやすく解説されています。
この本は著者自身が書いているように、ウォール街のランダムウォーカーに、ものすごく影響を受けて書かれていますが、この本のすごいところは日本の現状の環境にぴったりになっていること、本の作りが詳しいながらも、非常に分かりやすく書かれていることです。
GPIF の資産配分比率や、ウォール街のランダムウォーカーを参照に資産配分を考える時、一番悩ましいのが国内債券クラスだと思いますが、これについては私もお勧めしている10年もの個人向け国債を強く進めているところなど私の主張と重なる部分も多いです。
想定している読者は、どちらかと言うと若い方で、インデックスファンドを積み立てていきましょうというのが著者の主張です。
では定年退職世代には、参考にならないかと言うとそんなことはありません。
個別株でなくインデックスファンドを買うとか、分散投資をするなど基本的な戦略は一緒です。
ただ、どんどん新たに積み立てていくか、あるいは退職金なのまとまったお金を時間をかけて運用しながら取り崩していくかだけが違うだけで、底辺に流れる考えは一緒です。
私のこのブログの中では、ファイナンシャルプランナーという立ち位置を優先しているので、金融商品の細かいコストや資産配分など議論はいたしません。
そのあたりは、水瀬ケンイチさんをはじめ、インデックス投資家の人たちがいてブログなどで盛んに主張されているので、この本を読んだ上で、もしその辺りに強い興味がお有りでしたら、ブログを参照された方がいいと思います。