みなさんこんにちは。
安井宏@定年退職FPです。
ノマドランドという映画を観てきました。
アカデミー賞の 作品賞・監督賞・主演女優賞 最多3部門受賞という、めちゃめちゃ評価の高い映画ですが、評価の高い映画あるあるで、興行的には実にしょぼいです。
大きな映画館では上映してなくて、私の住む川西市の隣、宝塚市にある小さな映画館で観てきました。
高齢者の生き方と車中泊を考えさせられる、とても良い映画でした。
+++もくじ+++
1. ノマドとは
ノマドというのは遊牧民のこと、それが転じて車中泊であちこちを転々としている人たちをそう呼び、映画ノマドランドは彼らの生きざまを描いた物語です。
日本とアメリカはだいぶ状況が違うのですが、アメリカで車中泊と言うと、ポジティブな意味だけでなく、住宅ローンが払えず家を追い出された人たち、多くは高齢者が仕方なく車で暮らすネガティブな響きもあります。
映画は、企業の破綻で家を失った主人公が、現代のノマド=遊牧民として、キャンピングカー車中泊で移動しながら懸命に生きる姿を描いており、実在のノマドたちを物語の一部にすることで、リアリティのある作品に仕上がっています。
原作の「ノマド 漂流する高齢労働者たち」は日本語訳が出ており、一見、キャンピングカーで暮らす気楽な高齢者のように見えて、実はガソリンとPC・携帯を命綱に、移動しながらアマゾン倉庫や大農園などの現場で働く21世紀の「ノマド」の実像を描写しています。
2. 日本の車中泊ブーム
日本では、近年のアウトドアブームによりキャンピングカーが売れに売れています。
アメリカと違い、ある程度時間にもお金にもゆとりのある人たちが、旅行目的で利用しているようです。
日本とアメリカの大きな違いは、その車の仕様で、アメリカのような大きな車にシャワーやトイレが付いている車ではなく、ハイエースなどを改造して車中泊が快適にできるような車が日本では主流です。
日本では、道の駅、コンビニ、日帰り温泉など車中泊を支えるインフラが充実しているので、それらを使いながら、あちこち自由にのんびり旅をするのが日本的ノマドのスタイルです。
また、最近ではテレワークのための「移動オフィス」としての需要もあるようで、政府が旗を振るワーケーションではないですが、密を避け旅やアウトドアを楽しみながら仕事を続けるスタイルが出現しています。
さらに、比較的手頃な価格で新車が購入できる軽自動車ベースの「軽キャンピングカー」も売れているようで、車中泊中心の一人旅などでは十分な機能を備えているようです。
現在国内では、最大手のトイファクトリーはじめ多数のビルダーと呼ばれる業者が、トヨタなどからバンやトラックのベース車両を購入し、断熱加工や家具の取り付けをした状態でキャンピングカー完成車として販売しています。
さらに、キャンピングカーのレンタル業者も出現しており、業界は活況を呈しています。
3. 自分でノマド旅してわかったこと
先日から二度ほど、車中泊をメインに長期旅行をしてきました。
車中泊で宿泊費が浮くことは誰でも思いつくメリットなのですが、それだけではないメリットとして、ホテルに縛られない自由な旅行ができました。
通常の旅行と違い、ホテルを使わないと「予約なし」「満室なし」「チェックイン・チェックアウトの時間制限なし」の自由な旅行ができます。
たとえば、四国の中でも秘境と言われる四国カルストを訪れた際は、予定では夕方には下山するはずだったのですが、あまりの景色に、そのまま山頂のキャンプ場に車中泊して、地平線に沈む夕日を眺め、夜になって空を見上げると空が落ちてくるんではないかというほどの満天の星空を満喫できました。
私の場合はハイエースをベースにしたキャンピングカーなのですが、道の駅などで見ていると、普通の乗用車でもマットや目隠しなどを工夫しながら、車中泊の旅を続けている人がたくさんいました。
コロナで地元の人に積極的に話しかけるのは少しためらいますが、それでも直接現地の情報を得て、その場で行き先を変えたり、滞在したいところでは時間を気にせずとことん滞在できるのは車中泊の最大のメリットでした。
4. とにかく自由な旅行スタイル
アメリカと日本で車中泊のスタイルは大きく違いますが、共通しているのはとにかく自由なこと。
ホテルに縛られないし、現場でたまたま見たり、知り合った人と口コミで聞いたりした都度、新情報をもとにあちこちとどんどん行き先を変えて楽しめます。
最近では「バンライフ」という言い方も出始めており、著名なインフルエンサー田端信太朗氏(@tabbata)などもこの分野に参戦して楽しんでいるようです。
まとめ
定年後に、長期の海外クルーズや、海外ロングステイを期待していた人にはコロナ禍でつらい季節です。
でも、定年退職後も体が元気で自由が利く間は、若い頃に憧れたような自由気ままなノマド生活を送ってみるのも、一つの楽しみではないでしょうか。
家にいて情報源がテレビや新聞だけだと、知的好奇心も湧いてきません。
あちこち旅をすることで、様々な人との出会いがあり刺激があります。
見るもの聞くもの全てが目新しいのが型にはまらない自由な旅です。
コロナ禍で海外には出れない今だからこそ、人との接触が少ない屋外中心のノマドライフが時代にあっているような気がします。
特に日本の場合は四季の移ろいがあるので、桜前線とともに北上したり、暑い季節だけ高原で長期滞在したりと、楽しみのバリエーションは無限大です。
誰でもできることではありませんが、もしできるとすれば定年後の元気な時期のあなたです。
こういう生き方、ちょっと憧れませんか?