わくわく定年退職ライフ

ちょっとのお金の知識で豊かなシニアライフ

ファイナンシャルプランナーが教える定年退職者向けお金の10回講座(5)

f:id:teinen2018:20181004104815p:plain

 みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職FPです。

退職者のための「お金の10回講座」第4回では「リスクをコントロールしながら資産運用する方法」のお話をしました。

自分の大切な資産を過剰なリスクにさらしすぎてはいけません。

株や投資信託などのリスク資産と、国債や定期預金などの非リスク資産の比率を変化させることで、仮に株式市場が暴落しても、損失が限定的なものになるということを学びました。

この10回講座の中でも特に重要な話なので、まだ読んでいない方は、ぜひ「ファイナンシャルプランナーが教える定年退職者向けお金の10回講座(4)」をお読みください。

第5回の今回からは、いよいよ実際の資産運用に入っていきます。

銀行、証券会社、郵便局(ゆうちょ銀行)などが、資産運用の窓口ですが、義理や人情ではなく、コストを意識して冷徹に窓口を選別することが大切です。

結論を言えば、退職後の資産運用はネット証券会社に限ります

 

+++もくじ+++ 

 

生活防衛資金のみ銀行・郵便局を利用

家の近所の銀行などには、生活に必要な資金のみ置いておきましょう。

すべてをネット銀行などで完結させるのは、まさかのときに不安です。

地震などの大災害のとき、通帳・ハンコなどすべてを失っても、地元の金融機関であれば本人確認だけで少額のお金をおろせるなど融通がきく場合が多いです。

そして、資産運用は余裕資金でするのが原則なので、有利なところを探しましょう。

資産運用デビューのため馴染みの銀行などに相談に行くのは、まさに鴨ネギで一番まずいやり方です。

先方はあなたの勤め先、給料、退職金額など手の内を知りすぎています。

 

金融機関により大きく異なる運用成績

わたしたちは長年同じ金融機関を使い、慣れが支配してます。

職場指定の給料振込先、住宅ローンの借入先、最寄り駅に支店やATMなどなど、理由は様々ですが、同じ金融機関を使い続ける人が大半だと思います。

前提として、どの金融機関も優劣がなく利便性のほうが金融機関の選択に大きく影響したのだと思います。

しかし、資産運用になれば実は格差が大きいので、これまでの付き合いや、地理的な近さなどは忘れてシビアな目で金融機関を選びましょう。

金融機関の窓口にいる人は、資産運用のプロではなく、金融機関に有利な商品を見込み客(あなた!)に売るプロであることを忘れてはいけません。

相談相手の給料が、どこから出ているのか考えましょう。

 

投資対象が同じなら同じ期待リターン

みなさんは例えばノートパソコンを買うときには、どの機種を買うかについてはスペックや評判を気にすると思いますが、どのお店で買うかは気にしないでしょう。

性能などから機種を決め、それをネットや家電量販店でポイントを含む値段を比較して購入するはずです。

すなわち、中身が同じなら安く買うが正解です。

一方、レストランで出てくる料理だとこうは行きません。A店の800円のラーメンとB店の800円のラーメンは、値段が同じでも別物ですし、1200円のラーメンなどがあれば、さらに美味しいと期待してしまいます。

実は投資信託では中身である投資対象が同じなら、期待できるリターンは同じです。

上記の例でいうと、投資信託はノートパソコンと同じであるということです。

投資信託の多くは、ベンチマークという投資対象の値動きを指数化したものに沿った運用をされます。

たとえば、日経平均株価(日経225)をベンチマークに、これに連動する投資成果を目指した運用などが行われます。

複数の投資信託商品が同じベンチマークで運用されており、期待されるリターンはほぼ同じです。

しかし、期待できるリターンは同じでも支払うコストが違います 

例えば、三井住友銀行で人気のファンドを調べてみると、ファンドランキングトップの商品は、「三井住友・225オープン」で、名前の通り日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指した運用を行っています。

  • 購入時手数料 無し
  • 信託報酬   年率0.648%(税込)
  • 信託留保金  0.3%

一方、ネット証券会社でも人気の投資信託に、イーマクシス スリムというシリーズがありますが、その中で同様に日経平均株価(日経225)と連動する投資成果をめざして運用を行っているのが、eMAXIS Slim国内株式(日経平均)です。 

  • 購入時手数料 無し
  • 信託報酬   年率0.17172%(税込)
  • 信託留保金  無し

この両者はベンチマークが同じため、ほぼ同じ収益が見込めます。

仮に、退職金のうち1,000万円をこの投資信託に投資し3年後(投資信託の平均保有期間は2.5年程度)に売却したとすれば、

前者の総コストは、224,400円 後者は51,516円と4倍も違います 

投資期間が長くなれば、さらに差が開いていきます

定年後はまとまったお金を投資することも多いので、とにかく金融機関に払うコストには敏感になる必要があります。

 

金融庁資料で格差が明らかに

金融機関によって顧客の運用成績に差があることは、うすうす知られていましたが、その実態を大きく問題視し可視化したのは金融庁でした。

2018年6月に公表されたところでは、都銀・地銀29行対象の調査で、2018年3月末で投信を保有する顧客のうち46%と半数近くが評価損を抱えていました。

日経新聞に「投信で損失 個人の半数」という記事が掲載されていたので覚えておられる方も多いかもしれません。 

調査結果については、利益を上げたあと売却した顧客のデータが反映されていないなど、細かな反論はありましたが、銀行が顧客本位の営業をしていないことを白日のもとに晒した、画期的なものでした。

その後、SBI証券、楽天証券、カブドットコム証券、マネックス証券のネット証券大手4社が投信を保有する顧客の損益を調べ発表していますが、こちらは64%が評価益を、36%が評価損を抱えていることが分かりました。 

ネット証券の顧客の方が金融に関する知識が総じて高いなど、様々な解釈がありますが、銀行では銀行が儲かる商品を主力として販売していることが、大きな原因であることは間違いないでしょう。 

金融庁はかねてから「顧客本位の営業」を強く求めていますが、金融機関は自らの利益を増やすことにしか興味がないことを露骨に数字が示しています。 

金融機関が不誠実な営業をしているにしても、違法なことをしているわけではないので、取り締まるわけにはいきません。 

この10回講座を読んでいただいている皆さんは、自分に知識をつけることで、「顧客本位の営業」をしない金融機関を遠ざけましょう

 

つみたてNISAの「踏絵」で簡単選別

ここまで読んでいただいても、やはり銀行や対面営業の証券会社に行って話を聞きたい人もいらっしゃると思います。

金融機関の選別に簡単な方法があります。

それは「つみたてNISA」の制度対象商品を紹介するかどうかで判別するやり方です。

つみたてNISAは、個人投資家にとって非常に有益な投資方法ですが、金融機関にとってはうまみが少なく、できれば売りたくないものです。

しかも、ごく一部の優良投資信託のみが「つみたてNISA適格」として金融庁に認められています。 

踏み絵のようで嫌なやり方かも知れませんが、今の時代に「つみたてNISA」を紹介しないようでは、「顧客本位の営業」をしていないことを自白するようなものです。

金融機関で話を聞いて「つみたてNISA」の話がなかった方は、帰りの駅でもらった資料を全部ゴミ箱に捨てて大丈夫です。

どうしても断りきれないときの対処法 

定年退職された方は、長い社会人生活の中でいろいろな義理やしがらみがあり、退職金をもらったときくらい付き合わざるを得ない場合もあります。

そんなときの次善の策として、次の2つに限定してお付き合いするのがおすすめです。

一つは、前述の「つみたてNISA」でおつき合いすることで、年間40万円の積立をすることで税金のかからない運用ができます。

購入する商品は金融庁が認めた優良商品なので、大きな間違いはありません。

本当は、3つあるNISA制度の中でも定年退職者には、投資枠120万円でどんな商品でも購入できる「一般NISA」がおすすめではありますが、大きく損をしない次善の策としては許容範囲だと思います。 

2つ目は、個人向け国債(変動・10年)を購入することです。

この商品自体は、年0.05%の最低利率が保証されているうえ、インフレ対策、ペイオフ対策としても優れており、資産運用の場合の非リスク資産としておすすめできるものです。

購入時のキャンペーンなどを別にすれば、商品自体は銀行、郵便局(ゆうちょ銀行)、証券会社などどこで買っても同じです。

金額としても、いくら大きくてもリスクとりすぎなどの心配がないので、大きな金額を安心して購入しお付き合いできます

 

ネット証券に口座開設する方法

今の時代に個人が退職金を運用するなら、間違いなくネット証券に口座を開くのが正解です。 

主なネット証券会社としては SBI証券・楽天証券・マネックス証券・カブドットコム証券などがあります。 

これらの会社は、顧客の声を聞いて非常に低コストで、かつサービス水準も高く保っています。 

ネットの証券会社と言うと敷居が高いように思いますが、インターネットで簡単に口座を開くことができます。

まず目指す証券会社のホームページに行きましょう。

新規口座開設のページがありますので、そこにアクセスしIDやパスワードなどを決めて口座を開きます。

銀行もそうですがマネーロンダリング防止のために本人確認などが厳格になってきています。

身分証明書さらには最近ではマイナンバーなどを入力する必要があります。

また本人の住所確認のためにあとで確認の郵便が来たりしますが、難しいことは全くありません。

 

ネット証券のメリット

ネット証券会社をおすすめする理由のひとつは営業の攻勢がないことです。

電話がかかってきて、いろんな理由をつけて投資信託の売却を勧めたり、新たな投資信託を買いましょうと言った営業がありません。

すなわち自分でゆっくり考えて投資ができます 

また営業部員を抱えていないので、そもそもコストが安く個人が使うのには最適です。

 

最近攻めてる楽天証券

ネット証券の中でもSBI証券と楽天証券の人気が高いのですが、最近では楽天証券の営業攻勢が目立ちます。

楽天証券は、「楽天経済圏」ともいわれる楽天グループの証券会社で、楽天経済圏の特色である、楽天スーパーポイントを上手に活用することでお得感を強く出しています

具体的には、楽天証券で取引すると楽天グループで利用できる楽天スーパーポイントが貯まります。

また、楽天カードで投信の購入が可能になったほか、楽天ポイントでも投資可能になりました。

しかも、今後は楽天カードの支払いに楽天スーパーポイントが利用可能になります。

さらに楽天証券が楽天の「スーパーポイントアッププログラム」の対象になり、「楽天スーパーポイント」を利用した投信信託の購入で、楽天市場でのお買い物のポイント倍率が自動的に+1倍になる特典を受けられるようになります。

特に、楽天カードで投信購入は大盤振る舞いで、月額上限5万円までとはいえ、投資信託購入で年間で最大6,000円分のポイントが得られます。

もちろん、ポイントを集めるのが目的ではないので、低コストの優良商品を購入するのが前提ですが、これからネット証券を選ぶのであれば、検討する候補に必ず入れたほうが良いでしょう。

楽天証券

 

まとめ

今日は、資産運用をする金融機関によって大きな格差があることを学びました。

少額かつ短期間であれば、手数料などのコストの違いは気にならないかもしれませんが、退職金などまとまった金額を運用する場合コストの差は無視できません。

対面型の金融機関を避けて、ネット証券で投資を始めるのが、定年後資産運用の王道です。

 次回へ続く。

楽天証券