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ファイナンシャルプランナーが教える定年退職者向けお金の10回講座(7)

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みなさんこんにちわ

安井宏@定年退職FPです。

退職者のための「お金の10回講座」第6回では、ネット証券会社で、具体的に金融商品を購入する方法を学びました。

まだ読んでいない方は、ぜひ「ファイナンシャルプランナーが教える定年退職者向けお金の10回講座(6)」をお読みください。

ここまでこの「お金の10回講座」を読んでいただいたみなさんは、すでに同僚に資産運用のうんちくを語れるほど、基礎的な知識をお持ちです。

第7回では、リスクを減らしての投資である分散投資、それも世界への分散投資の考え方をご紹介します。

日本円を使って暮らす日本人でも、経済は世界中でつながっているので、国内だけに投資するのでは十分な分散投資は実現しません。

金融機関のオススメではなく、中立的な立場で情報発信する、投信ブロガーたちの注目商品についても見ていきましょう。


+++もくじ+++

 

リスクを減らすには分散投資

いよいよ金融商品を買うことになりますが、若い人の積立投資と異なり、定年退職者が投資をするのは、一括投資といって一気に買い付けをすることになります。

資産運用においてリスクを減らす王道は分散投資です。

分散投資には、「資産クラスの分散」や「地域の分散」などのほか、投資する時間(時期)をずらす「時間分散」という考え方があります。

定年退職者が退職金で一括投資する際には時間の分散という、リスク低減手法が通じないので一層慎重な姿勢が求められます

一番やってはいけないのは、今流行りのテーマを冠した「テーマ型」投資信託を買うことです。

世の中でニュースになっている事項をテーマにした投資信託は、売る側には都合がいいのですが、投資信託で損をする定番パターンです。

オリンピックがあるからブラジル、アメリカが産油国になるシェール革命、最近であればAI(人工知能)、自動運転、ベトナム、5G(次世代通信)などです。

世の中で人工知能が普及することと、株価はまた別です。

そもそもそのテーマが世の中の話題になり、テーマ型投資信託が設定された時点で、組み入れる銘柄は十分に割高になっており、株価は既にピークを過ぎている可能性があります。

人間は、投資するとその対象がどうなるか一喜一憂してしまいますが、それをしなくていいのが全世界に分散された商品、すなわちインデックス投資信託を買うことです。

 

オーソドックスな世界分散投資

分散投資をするに当たり、投資する対象が存在する地域も日本には限られません。

投資対象資産の価格は、投資の対象となっているものが存在している国や地域の経済状況、為替変動などによって、様々な値動きをすることになります。

いまだと、トルコ・ベネズエラなど新興国が不調で米国が絶好調というのは、ニュースなどで目にされていると思います。

そこで、こうした投資対象地域の性質による「値動きの違い」を利用して、異なる状況にある地域の資産、通貨を組み合わせてリスクを減らしながら投資を行うのが「地域の分散」の手法です。 

国内と国外、あるいは先進国と新興国のように、異なる国・地域の資産・通貨を組み合わせて投資を行いましょう。 

そうすれば、例えばある地域の経済危機や戦争といった経済状況の変化によって、保有している特定の資産が値下がりした場合には、他の資産の値上がりでカバーする、といったように、保有資産の間で生じる価格変動のリスク等を軽減することができます。

難しい理屈は省略しますが、全世界の株価総額に比例したポートフォリオが一番効率が良く、定年後の資産運用として最適です。 

世界の株式シェアを見ると、ざっくり言って8割が日本以外の先進国、1割が新興国、1割が日本となります。

この8:1:1の割合で株式を持てば、世界全体の株式と同じ比率で資産を持つことになります。

いまは、アメリカの株が絶好調で新興国が元気がありませんが、アメリカ株が低迷していた時期や新興国がBRICSなどともてはやされた時期もありました。

今後、どこの国が高成長を見せるかは誰にも「事前には」分からないから、世界全体に投資しておいた方が安心といえます。

幸い、プライベートバンクなどに任せなくとも、今の日本には低コストで世界に分散できるインデックス投資信託があります。

投資信託を通じて間接的に全世界株式に投資しておれば、個別地域の経済動向に一喜一憂することなく、世界全体の企業活動の成果を享受できます

 

世界分散投資の主なベンチマーク

投資信託は、ベンチマークというその投資信託が運用の目安としている指数を目標に運用されます。

あなたが買おうとしている投資信託がどんな指数を「ベンチマーク」としているかは、「投資信託説明書(目論見書)」や「運用報告書」を見ると書かれています。
日本の株なら日経平均やTOPIXが有名ですが、世界株なら以下のようなインデックスがあります。

それぞれ少しずつ特徴がありますが、細かい差異は気にしなくてもいいでしょう。

むしろ、金融商品を買う際に必ず投資信託の中身を確認してください。以下のようなものがベンチマークであれば、世界に広く分散していることがわかります。

その際に日本を除外しているものもあるので意識しておきましょう。

  • FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス
  • MSCI ACWI インデックス
  • MSCI World インデックス(MSCIコクサイ・インデックス)

 

ホームバイアスを意識しよう

ポートフォリオの中で、自国の金融商品に過剰に投資してしまう傾向のことを、ホーム・バイアスといいます。

世界の株式市場の中で日本は1割に過ぎないのに、金融資産では日本株が6割などというのがこれです。

原因としては、投資情報の入手の困難さや為替リスクなどがあります。

投資先を日本に限定するということは、日本が他国より有利というアクティブな判断の結果です。
少子高齢化が進み、GDPがもとより各種ランキングで中国などに負け続ける日本に過剰に期待するのが正しくないのは同意いいただけるでしょう。

特に、定年退職世代は年金受給権という名の日本円の資産を持っていることを忘れてはいけません。

正確には将来もらえる年金の現時点価値となりますが、実際のところは年金制度は徐々に改悪に向かってますし、それより何よりあなたがあと何年生きるかわからないので、正確な金額はわかりませんが、数千万円の価値があると思います。

また、自宅という名前の日本円建て不動産資産をお持ちの方も多いと思います。

日本円の資産に過剰に偏ることは、日本の財政状況からも大変危険なことです。

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つみたてNISA適格商品にハズレなし

投資信託は日本に6,000本以上ありますが、大半は個人投資家は避けたほうがいい商品です。

個別に判別はできませんので、金融庁が公表している「つみたてNISA適格商品」を参考に商品選びをしましょう。

このリストは、ダメ商品の代表である毎月分配型を排し、低コストで分散投資できる商品を厳選しています。
わたしはこのリストに入っていない商品は、そもそも検討にすら値しないと思っています。

このリストはつみたてNISA「適格」であって、つみたてNISA「専用」商品ではなく、通常の特定口座などで誰でも購入できます。 

この一覧にはどの投資信託が、どのベンチマークを使っているかが示されています。

上述の国際分散投資のベンチマークに準拠している商品がおすすめです。

第5回でもお話したように、投資対象(ベンチマーク)が同じなら、同じ期待リターンなので、その中からコストの安いものを選ぶのが最適な戦略です。

投資のリターンは将来になってみないと分からない不確定なものですが、コストに関しては毎年確実に支払う必要があるものだから重要です。

 

 投信ブロガーが選ぶFund of the Year

投資信託を選ぶうえで金融機関のホームページにある「売れ筋ランキング」「人気ランキング」などは全く当てになりません。

むしろこれは「金融機関が売りたくて売った手数料の高い商品」「テーマ型など金融機関が売りやすい商品」の避けたほうが良い商品ランキングだと思ってください。

また、モーニングスターなどの「過去のリターンランキング」なども、過去の好成績は将来の成績を保証しない、という原則から考えて参考になりません。

そんな中、投資信託について一般投資家の目線でつねに考え、情報を集め、ブログを書いている投信ブロガーのイベントがあります。
投資信託の事情通である彼らが支持する投資信託を選ぶ「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2017」は、2018年1月13日に表彰式を行い結果を発表しました。
表彰された商品の大半は、世界に分散されたインデックス型の投資信託でコストも低いものが多くを占めました。
このイベントは毎年やっており、そこで得られた上位銘柄が最も購入の参考資料として良いと思います。
数年にわたってみると、これまでずっと VT というアメリカに上場された全世界株式を対象とする投資信託が一番評価が高かったです。
ただ2017年では楽天VTという、それを日本で買いやすくした商品が出ています。

まだ十分評価は定まっていませんが、これなどは注目株だと思っています。

  

まとめ

この講座も第7回になり、ようやく購入すべき商品の目処がたったでしょうか。

自分の取れるリスクを十分に検討した上で、世界に分散された低コストの商品を購入するのが、定年退職世代におすすめの投資法です。

ここまでの講座で、どこで何をどのくらい購入するかは、分かっていただけたと思います。

次回は気になる「税金」について、医療・介護など定年退職世代に特有の事情も絡めて紹介していきます。

楽天証券

 

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