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定年退職世代が気をつけるべき40年ぶり遺産相続の制度変更

f:id:teinen2018:20180508145257j:plainこんにちは

安井宏@定年退職FPです 

相続について規定しているのは民法です。 

その中でも相続法分野については,昭和55年以来,実質的に大きな見直しはされてきませんでした。

この間、社会の高齢化が更に進展し,相続開始時における配偶者の年齢も相対的に高齢化しているため,その保護の必要性が高まっていることから改正が実現し、2018年7月13日に公布されました。 

国の狙いは高齢化など時代の変化に合わせるということで、定年退職世代にとって他人ごとではありません。

実際に自分にに影響がでるまでは、もう少し時間があるのでしょうが、今から認識だけはしておいた方がいいでしょう。

 

+++もくじ+++

 

1   配偶者居住権が創設され配偶者の保護が変わる

 高齢化に対応して、残された配偶者が相続開始時に居住していた家に住み続けることができる権利を、 配偶者居住権という名前で新設されます。

そして遺産分割等における選択肢の一つとして,配偶者が配偶者居住権を取得することができるようになります。

実際の運用が始まってみないとわからないところもありますが、居住権は所有権よりも評価額が低くなることが予想されるので、現在よりも柔軟な遺産分割ができる可能性があります。

また、婚姻期間が長期の場合に配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居を遺産分割の計算対象とみなさないようにするなどの改正も行われます。

実際のメリットとしては、夫の遺言で自宅を相続しなかったとしても子供に追い出されないのがメリットということだと思います。

それ以外のメリットとしては、遺産が自宅しかないようなケースで、遺産分割すると配偶者が他の相続人にお金を払えるだけの現金がない場合に、自宅を売って現金を作らざるを得ない、すなわち自宅から出ていかざるを得ないような場合を防ごうということだと思います。

元々「税法」では 20年以上連れ添った夫婦間で住宅取得資金の贈与が行われた時に2000万円まで非課税とする贈与税の配偶者控除の規定があります。

しかし遺産相続の協議の時には「民法」に従い特別受益として遺産分割協議や遺留分減殺請求の対象となってしまって配偶者が住宅を確保できない可能性があったものを、民法の面でも認めようということです。

 

2   自筆証書遺言が変わる

遺言書には3種類あります。

自筆証書遺言

公正証書遺言

秘密証書遺言

 

このうち自筆証書遺言は、 遺言者自身が 自分で作成することから、コストをかけずに一人で作ることができるので手軽だということで利用する人が増えています。

ところが全部を自筆で書かないといけない、あるいは開封する前に相続人が立ち会って家庭裁判所で検認を受けないといけないなど、 実際には利用のハードルが高くトラブルになっている例も多いようです。

今回の改正では要件が緩和され財産目録を自筆ではなくパソコンなどで作成できるようになっています。

また法務局での保管制度(遺言書保管法)が設けられ、法務局に預けていた自筆証書遺言については、検認の手続をとらなくてもよいとされています。

このように自筆証書遺言に関する改正案は、遺言者の実情にあった改正内容となっています。

成立すれば、遺言を書く人の増加が期待されています。

3  介護などに貢献した相続人以外への遺産相続ができる

 相続人以外の被相続人の親族、例えば相続人の妻などが被相続人の療養看護を行っていた場合は一定の要件を満たせば、その貢献度合い(寄与分といいます)に応じて相続財産を取得する権利を認め、相続人に金銭を請求できるという制度です。 

現行民法においては、寄与分が認められるのは相続人による行為に限られていました。

例えば親と同居する長男の嫁が介護で苦労しても親の死後、相続で彼女の貢献は認められませんでした。

これでは介護をした人の苦労が報われないとして、貢献度に対する特別寄与料として金銭の請求ができるようになり、そのための家庭裁判所での手続き規定も設けられました。

介護の実態を考えれば妥当な改正です。

しかしながら、ただでさえか争いごとが起きそうな相続に、相続人以外のメンバーが入ることによって、さらにトラブルが増えることも心配されています。

一般的に言って、トラブルの度合いは、相続人の数に比例します。

正式な相続人ではないとはいえ、相続財産を取得する親族が増えることはメリットばかりではないことを認識する必要があります。

 

まとめ

どうでしたか。

相続問題はだれもが直面し得る問題です。

資産運用と同様、正しい知識を身につけることが「争族」ではなく「円満相続」にする秘訣です。

民法の制度は変わってきますが、 遺産相続を争いごとの争続にしないというのを一番大事にすべきでしょう。
改正によって自筆証書遺言を気軽に利用できることは間違いないでしょうが、詳細をきちんと理解して利用しないと相続が「争族」に変わる可能性はなくならないでしょう。
今回の制度の変更はありますが、公正証書遺言を作っておくのがトラブル防止にベストだというのは変わりません。

信託銀行などで高いコストを払うよりも弁護士に遺言執行者にもなってもらい公正証書遺言を作っておくのが 争いの防止からもコストの節約からもおすすめです。

この記事が、みなさんの定年退職ライフに少しでも役立てば幸いです。 

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