わくわく定年退職ライフ

ちょっとのお金の知識で豊かなシニアライフ

【書評】定年を病にしない(高田明和 著)

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みなさんこんにちは

私は「わくわく定年退職ライフ」なるブログを書いてるだけあって、楽しく定年後を過ごしてますが、周りからは定年を不安視する声をよく聞きます。

今回ご紹介する本は、脳科学や心の病の専門家として多くの患者さんに接してきた経験を持つ、浜松医科大学名誉教授の高田和明さんの本です。

 

+++もくじ+++

 

定年前から始まっている本当の危機

高齢者の関心事といえば、「健康問題」と「年金(老後資金)」と言われていますが、どうやらそれだけではないようです。

脳科学や心の病の専門家である著者の認識では、本当の危機は定年前から始まっているといいます。

本では、危機の中身を以下のように紹介しています。

  • 地域や家庭では会社の常識が全く通じないというこれまでの環境が大きく変化していること
  • 会社という所属先がなくなりスケジュールがない自分に焦ってストレスを溜め込むということ
  • 一流企業の元部長という肩書きなどもはや通用しないという変化についていけないということ
  • 仕事とお金があっても燃え尽きてしまっている

そんな人たちを見ながら、その処方箋ともいうべき対処法をまとめたのがこの本です。

 

いちばん大事なのはプライドを捨てること

 これまでプライド高く仕事をしていきたい人にとって、定年後の環境変化をうまく処理することは 大変なことです。

これについて 著者は次のようなアドバイスをしています。

 

(1) 定年後の孤独との向き合い方

昼下がりの喫茶店や図書館で定年後の男性は一人で過ごすことが多いようです。

これについての対策は定年後考えるのではなく、早い時期から考えておくべきということでしょう。

定年後に経歴や地位は関係ないということに気づき、会社を離れた自分がどうなるのか早い段階から想像をしておくことで危機を回避できます。

男性同士では、どちらが偉かったなどと比較を気にしてしまうため、他の男性と親しくしたり社外人脈を広げる機会を逃しやすいです。

この意識を変え、気軽に話す・話しかけられる関係性を早い段階から構築していくのが望ましいようです。

 

(2) 肩書きが通用しない現実に承認欲求の上手な手放し方

定年前の肩書きが通じなくなったことで、妻や子供も嫌がる家庭内管理職になる人がいるようです。

これは非常にまずい状態で、これでは妻子に嫌われてしまうばかりか子供の人生をも狂わせてしまいやすいです。

家族に対し上司のような行動をとるのは厳禁であると肝に銘じるべき です。

また高齢者の万引きがニュースになりますが、そういった問題行動を起こすのも承認欲求の対処がまずい事例のようです。

昔の肩書きが全く通用しない、誰も会ってくれないという現実を早い段階で受け入れて 自分の承認欲求をうまく抑えれるかどうかが定年後にゆたかな人生を歩めるかどうかを左右します。

 

(3) 周りと比べて焦燥感を覚える人の上手な対処法

定年後の準備の多くは再就職の準備です。

意外な人があっさりと再就職先を決めている場合はコネの力が大きいようで、早い段階から社外の人脈を作るなど、再就職に繋がる社外の友達を増やしていくことが重要です。

定年後のプライドは百害あって一利なしということで、プライドは孤独を深める元となるようです。

 

妻の寿命を縮めるのは夫の存在

私がこの本を読んでいて一番ショックだった部分がここです。
定年後も妻を大事にしようと思ってる私としては、受け入れがたいような事実。

妻に先立たれた男性が短命だというのはよく知られていますが、妻に依存する夫の存在が妻の寿命を縮めてしまっているという調査結果があるようです。

一つは愛媛県総合保健協会の藤本弘一郎院長が2002年に行なった調査データです。

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同じような結果は、九州大学などが行なっている大規模疫学調査「久山町研究」でも見られるようです。

 この研究は福岡市に隣接する人口約8400人の久山町の住人を対象に、脳卒中・虚血性心疾患などの調査を行っています。

この調査で死亡の危険率がわかったのですが、男性は喫煙や高血圧、肥満などの多くの因子があったのに対し、女性の因子はたったの1つ、結婚だけだったのです。

つまり、夫の存在が女性の最大の危険因子だったのです。

妻のためにも、一人で時間が潰せない、家庭に妻がいない状態が耐えられない、そんな夫にならないようにしたいものです。

定年前から「自分のことは自分でできるように自立しないといけない」と改めて感じたところです。

 

本書をぜひ薦めたい人

この本は体系的に知識を述べるというよりもお医者さんの本らしく、41人の実例いわば症例ごとに対処法が紹介されています。

すべてをこのブログで書いてしまうと全部を紹介してしまうことになります。

以下のフレーズは、文中に出てきたものですが、心当たりがある方はこの本を読めば何らかの気付きがあるでしょう。

「もしかして俺も」と気になることがあれば、あなたにはこの「定年を病にしない」を読むのをお勧めします。

  • スケジュールがない自分に焦り、ひとりでストレスを抱えこむ
  • 妻に先立たれた人ほど孤独感を深めやすい
  • 年を取るとエロ爺さんになりやすい現実
  • 年収よりも健康長寿につながる仕事を探す
  • 100歳人生で「自分だけは例外」は通じない
  • 一流大学卒で人間性まで信頼される時代は終わっている
  • 怒りを抑えられない人は認知症予備軍
  • 禁煙禁酒でかえってストレスを抱え「うつ」っぽくなる悲劇

 

まとめ

この本の「終わりに」では、人生は「定年後の自分」を早く育てたもの勝ちとあります。

本書は、定年退職者に現れる様々な問題を列挙して、それぞれのアドバイスが書かれています。

何も知らずに定年を迎えるのではなく、定年後こんなことが起きている人もいるという現実を知って、早い段階から意識改革をするのが、すこやかな定年後を過ごす秘訣だと感じた一冊でした。